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「立場」も必要性も理解はできるのだけれど・・・。

東京地検による日産のカルロス・ゴーン元会長らの起訴、そして再逮捕。

捜査手法に対するグローバル級の批判が鳴り止まない中、会見に臨んだ東京地検次席検事のコメントが報じられている。

「適正な司法審査を経て再逮捕に至ったことを理解してほしい」(日本経済新聞2018年12月11日付朝刊・第43面)

本件に限った話ではないが、今の状況で検察関係者がオフィシャルな会見に臨めば、こうコメントするほかない。

そして、組織の中で生きる者として、立場上「適正」と繰り返し言い続けなければいけない苦しさもよく分かる。

だが、20日の逮捕後勾留期間をフルに使った挙句、再びの身柄拘束を「同一罪名」、それも役員報酬の「直近3年分」の過少記載、という“微罪”で行わなければならない状況で、形式的な手続きの適正性をいくら強調しても説得力は乏しい。

巷の報道では「司法取引」がなされた、と言われているし、日産自身も捜査に対しては積極的に協力しているとも言われているのに、「役員報酬の虚偽記載」という入り口からまだ一歩も踏み出せていない理由がどこにあるのか、外野の人間には知る由もないのだが、これからの20日+αの間に、特別背任なり、所得税法違反なり、といった“本丸”の被疑事実で立件するメドまで付けておかないと、検察の立場がかなり苦しくなる、というのは、改めて言うまでもないだろう。

日本国内では、検察関係者やOBがメディアに入れ知恵をしたのか、批判的報道に続いて「日本は欧米に比べて捜査側で使える手法が限られているので、捜査段階の身柄拘束が長期化するのもやむを得ない」的な論調の記事がここにきて散見されるようになってきているが、そもそも逮捕後の勾留は、取り調べの便宜のために認められているものではないから、中途半端に検察を擁護したところで、後で恥をかくのがオチである。

長期間、国境を越えて経営トップの座に君臨した大物経営者、かつ、油断するとプライベートジェットであっという間に国外に転じてしまうリスクも強い被疑者であるがゆえに、逃亡、証拠隠滅を防ぐために勾留する、という大義名分は十分にあると思っているのだけれど、話をそこに持っていくための材料があまりに希薄、かつ強引すぎる、というのが自分の率直な印象である。

この後、さらに“余罪”での起訴までたどり着けるのか、それとも、今年のうちに捜査の区切りが付いてしまうのか。

捜査の進展とともに、より多くの人々が腑に落ちるような展開となり、更にそこに持ちこむまでの過程とロジックが明確になれば、何も言うことはないのだけれど、今の時点では、そうなりそうな雰囲気が全く伝わってこないのが何とも残念である。

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