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医師不足地域では残業上限「年1920時間」も 勤務医の働き方改革案に医労連「労働者として扱って」

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根本にあるのは人員不足

厚労省は、勤務医の年間時間外労働時間の上限を960時間に設定する方針だという。12月12日に共同通信が伝えた。

一般労働者は2019年4月、改正労働基準法の施行により、年間の時間外労働時間の上限が最大720時間となる。しかし、医師は業務の特殊性から5年の猶予期間が設けられ、上限規制は2024年から適用されることになっていた。

国は「医師の働き方改革に関する検討会」で、医療関係者の参加の元、具体的な規制のあり方を検討してきた。今回出た案では、一般労働者より長い960時間を年間の残業上限とした上で、勤務間インターバルの確保や連続勤務時間制限を行うとしている。地域医療の確保や若手医師の技能向上を目的とした残業は、更に緩めた上限が設置される見込みだ。

「960時間は長い。もっと上限時間を少なくすべきだ」と厚労省案に難色を示すのは、日本医療労働組合連合会だ。上限設定そのものは肯定的に受け止めるものの、月平均80時間という過労死ラインと重なる数値に、効果があるのか首をかしげる。

「地方では医師不足がさらに進むことが懸念される」

更に問題視しているのは、国が医師不足の地域で例外的に設けようとしている上限時間だ。医労連の担当者によると、地域医療の確保を理由にした上限時間は、960時間を更に上回る1920時間で検討に入っているという。

「1920時間というと月160時間です。『そんなところにいたくない』と医師が別の場所に移り、さらに医師不足が進むことも懸念されます。上限時間を設けるなら、もっと短くすべきです」

国は今後、AIの活用や高齢化などの要因で、医師の需要は減ると予測している。今年5月に出された「医師需給分科会第三次中間とりまとめ」では、医師の需要が最も大きいケースを想定した場合でも、2040年には2.5万人の過剰供給になると見込んでいた。現在一時的に増やしている医学部の定員は今後、減らす方向で議論されることになる。

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