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大阪が大暴走:年明けにもIR事業者選定手続き?!

もう意味が分かんないんですが、なんなんでしょう、コレ?!以下、産経新聞より転載。


IR、年明け事業者選定手続きへ 松井知事が意向明かす
https://www.sankei.com/west/news/181211/wst1812110046-n1.html

大阪府市が人工島の夢洲(ゆめしま)への誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート施設(IR)について、大阪府の松井一郎知事は11日、産経新聞のインタビューで、年明けから事業者選定の具体的な手続きに入り、来夏には決定したいとの意向を明らかにした。2025年国際博覧会(万博)の夢洲での開催が決まり、万博との一体的な整備を進めるために「24年度のIR開業が必須になった」と述べた。


大阪万博開催が決定し、その前年となる2024年度には何とかIR開業に至りたいという気持ちは判りますし、建設期間を考えるとスケジュールを前倒しにするしか選択肢がないのは判りますが、これは完全に大阪の暴走でしょう。

そもそも、我が国のIR導入地域と事業者の選定プロセスは、来年夏に国から基本方針が発表され、それからIR導入を希望する各自治体の事業者選定と整備計画案の策定が行われるというのが正規のプロセスです。

このスケジュールに合わせると、IR導入を希望する自治体側がどんなに頑張っても2019年の年末もしくは2020年の冒頭の事業者選定が最速であって、そのペースだと2025年夏までの施設のフルオープンは不可能です。

よって自治体側の事業者選定を国の基本計画に先行させるのだというのが、今回の松井知事の発言であるわけですが、国内最大3とされているIR整備区域がどういう要件をもって、どういうプロセスで選定されるかが発表される前に、自治体側が勝手に要件を定めて事業者選定プロセスを進めたところで、その先に計画変更を含む様々なリスクが発生するのは当然のことであります。

逆にこの松井知事の示す意向を、現在、大阪府・市政の主導権を巡って激しく争っている自民党の立場で考えてみましょう。実は来年、2019年の大阪は選挙の年です。来年4月に執り行われる統一地方選において、大阪では府議会・市議会の両方が改選となり、議会第一党を巡って維・自が激しい火花を散らすこととなります。

同様に、来年年末には大阪府知事・市長の任期切れ選挙が執り行われ、こちらでも激しい選挙戦が予想されるわけで、2019年は議会、首長の改選が行われ、オセロゲームのように政治の様相が一気にひっくり返ってしまう可能性もある大阪の未来を占う年であるわけです。

このような状況の中で現在、大阪府・市政においては野党である自民党が現在、大阪府・市政のかじ取りを担う維新側の政治責任が問われる状況を作るのは簡単です。

何しろ松井知事は既に「国が基本方針を発表する前に大阪独自でIR事業者の選定プロセスを開始する」意向を発表しており、これを「政治判断だ」(先述の産経記事内)と主張しているわけです。自民党側とすれば、この松井知事が主張する政治判断が「間違っていた」という形に持ってゆけばいい。

大阪府・市政において自民党はあくまで野党でありますが、現在、国政を担っているのは自民党です。IR整備区域の選定において国政を担っている自民党は「選ぶ側」であるわけで、大阪が維新の下で勝手に先行して始めている事業者選定から大きく外れる基本方針を国側として後追いで発表してしまうことは非常に簡単。

そうなると大阪では先行して行っていた事業者選定プロセスや区域整備計画を大きく変更、もしくは最悪の場合一からやり直しが必要となってくるわけで、当然ながらそのような無駄なプロセスを生じさせた維新サイドへの政治責任の追求は避けられないこととなります。何しろ、元々、国側で示されてきた「基本方針→地方整備計画」というプロセスを覆し、勝手に事業者選定にまで突っ込んだのは大阪維新側であるわけですから。

そして私が最も残念なのが、そこで発生する計画変更や、下手をすると全てのプロセス全体がやり直しになるコストを全面的に負うことになるのがIR開発を目指す民間事業者となること。なぜそんな政治リスクを民間が負わなければならないのか?トンデモナイ話であります。



実は、本年7月に成立したIR整備法には、2025年に大阪万博開催が決定した場合を見越して、万博開催とIR整備が齟齬しないように予め定められた条項が存在します。


(特定複合観光施設の営業の開始)
第十七条
認定設置運営事業者は、特定複合観光施設の営業を開始しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、その開始の時期を、認定都道府県等の同意を得て、国土交通大臣に届け出なければならない。
2 認定設置運営事業者は、特定複合観光施設のうちカジノ施設の営業を先行して開始してはならない。


上記、IR整備法第十七条第2項に定められる「特定複合観光施設のうちカジノ施設の営業を先行して開始してはならない」とする文言は、逆にいえばカジノ以外の施設営業はカジノ施設に先行して開始することが出来ると読むことが出来ます。

要は国側としては、もし2025年に万博開催が決定し、更に同一地域である夢洲でIR整備が行われることとなった場合、2024年までに開発可能なカジノ「以外」の施設営業を万博開催前に部分開業させ、その後、カジノ施設を含む全体施設をフル開業させるという段階的開業を最初から念頭に置いているということ。

そういう筋道がすでに建てられているものを、民間にリスクを負わせながらひっくり返すのが松井知事のいう所の「政治決断」だとするのならば、正直ナンダカナァとしか申し上げようがございません。

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