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築地市場は「営業中」 仲卸業者ら「のれん」に基づく営業権主張

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【廃止正当化の論拠は破綻】

農林水産省卸売市場室は、筆者の取材に対し、「(同法)14条の廃止の認可が必要なのは中央卸売市場全体を廃止する場合だけで、そのうちの一つを廃止する場合は同法11条でよく、これまでもそうしてきました」と説明した。都には中央卸売市場が築地を含め全部で11ある。だから、その一つの築地市場を廃止する場合も14条の廃止の認可は不要で、11条の業務規程の変更でよいというのだ。

これに対して、同組合の助言者の熊本一規・明治学院大学名誉教授は、「もし中央卸売市場〇〇市場が業務規程の変更で廃止できるなら、そのすべてに14条は適用されないことになる。これは、『一般消費者及び関係事業者の利益が害されるおそれがないと認めるときでなければ、前項の(引用注・廃止の)認可をしてはならない』と規定する14条の適用を回避する巧妙なトリックです。農水省と都はグルになって14条を空文化させているのです」と批判した。

11月22日、東京地方裁判所は、仲卸業者が営業を続けるために築地市場内に冷蔵庫などの私有物を残し、占有していることに対し、都が明け渡しを求めていた仮処分で、都の主張を認める決定をした。

だが、熊本名誉教授は、「決定は都条例で築地市場での使用指定がなくなったことに基づいていますが、仲卸業者らは『のれん』に基づいて私物を置いているので、決定は法的効力を持ちません。だから、痛くもかゆくもありません」と反論した。前出の猿渡さんは、「『のれん』に基づく営業権は誰からも奪われない強い権利。今後も営業を続けることで守ります」と話した。

(永尾俊彦・ルポライター、2018年11月30日号)

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