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築地市場は「営業中」 仲卸業者ら「のれん」に基づく営業権主張

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11月24日、築地市場正門前で営業理由を都に通告する同市場営業権組合の猿渡誠さん。(撮影/永尾俊彦)

「東京都に通告する。都は条例を制定し、築地市場は閉場したと主張している。しかし、この条例は卸売市場法に違反する。築地市場83年の歴史の中でつちかわれた『のれん』に基づく営業権は、都が廃止できるようなものではない。(中略)よって、われわれは営業を続ける」

11月24日、仲卸業者らでつくる築地市場営業権組合(150業者)の猿渡誠さん(72歳)は、同市場正門前で高さ3メートルほどのフェンスの内側にいる東京都の職員にこう通告した。

営業権には行政が許可するもののほか、「のれん」、つまりブランドに基づくものがある。「築地直送」と冠するだけで付加価値がつく築地ブランドに基づく営業権は、「民衆がつくり上げてきた権利で、都に与えられるものではない」というのが猿渡さんら同組合の主張だ。

また、営業権は財産権でもあるので、侵害されたら損失補償が必要だとも主張する。確定した判例もあり、東京高等裁判所は、千葉中央卸売市場の移転の際に千葉市が卸売業者に支払った損失補償は財産権を規定した憲法29条から適法だと判示した(1991年)。 だが豊洲への移転では、都は仲卸業者らに損失補償どころか引っ越し費用も負担せず、土壌汚染のひどい豊洲に移って売り上げが落ちても「受忍限度内」だと開き直っている。536あった水産仲卸業者は移転で44業者も廃業した。

猿渡さんの通告後、同組合が用意したノリ、サバの缶詰などを販売、50~60人ほどの客が集まった。毎週火曜日と土曜日午後1時から、築地市場正門前は一種の「解放区」になる。警察は取り締まらず、すでに1カ月以上も続いている。これは、同組合が10月に営業権侵害の威力業務妨害罪で都を築地署に訴え、同署が「現行犯なら対応します」と約束した成果だ。

11月21日、同組合は都庁で記者会見を開き、築地市場の豊洲市場への移転で、都は農林水産省から築地市場について卸売市場法14条の廃止の認可と豊洲市場について同法8条の開設の認可を受けるべきなのにともに受けていないと指摘。代わりに業務規程についての同法11条を使い、築地市場の位置などを豊洲市場に変更する認可を受け、都条例を改定したが「それは違法です」と同組合は主張した。

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