記事

「わが子の急病・発熱」ケース別対処法9

1/3

子どもが病気になった途端、オロオロしてしまうパパは多いことだろう。緊急事態で活躍するには、「まず子どもの通常の健康状態を把握すること」と、一般社団法人「知ろう小児医療 守ろう子ども達の会」代表の阿真京子さん。「お医者さんが敏感になるのは、親の言う『いつもと違う』という言葉。いまと普段の状態がどう違うかがわかるのは、子育てに参加している親だけなんです」という。

写真=iStock.com/kiankhoon

「同じだけの知識と目線を両親が共有していればトラブルを乗り越えやすい。力を合わせないといけないときに、ケンカしてしまう夫婦が多いのは残念です」(阿真さん)

また、小児科を選ぶときのポイントはどこなのか。総合小児科医の森戸やすみさんはこう解説する。

「コミュニケーションが取りやすい医者が一番です。経験上、『発熱に反射的に抗生剤を出さない』『説明なく検査しない』をクリアしているドクターがオススメです」

子どもの病気で気になる疑問を小児医療の専門家2人に聞いていく。

■【1】いまさら聞けない基本編

「朝、息子の熱が37.2℃でした。仕事もあるので、子どもを保育園に連れていってもいいですか?」

【森戸】発熱と呼ばれる体温は37.5℃。これを基準に考え、熱がこれ以下で元気だったら連れていってもいいと思います。ただし37.5℃より下だとしても、調子が悪そうに見えたり、これから上がりそうな様子だったら、やめておきましょう。

解熱剤を飲ませて送り出す人もいますが、数時間で効き目が消えて、結局保育園から呼び出されます。子どももつらいを思いをして、根本的な解決にはなりません。最初から家で休ませるのが一番です。

【阿真】強引に保育園に連れていくと、別の病気をもらって帰ってきたり、思いのほか病気が長引いたり、しっぺ返しをくらうことがあります。体が少し熱かったり、すぐ寝たり、あまり食べなかったり、ちょっと具合が悪いなと思ったら、まずは休ませる。その習慣をつくっておくと、子どもが自分の体調を早めに察知して、「調子悪いかも」とすぐに知らせてくれるようになります。

日常的になっていて、つい忘れがちですが、保育園に長時間預けるほど、体は疲れていきます。平日の疲れが蓄積し、木曜、金曜に体調が下り坂だと感じたら、土日にムリをさせないということが結果的には功を奏します。子どものためにという思いはわかりますが、1度決めた週末の予定を崩そうとしないパパも目立ちます。子どものため、キャンセルする勇気を持ちたいものです。

「保育園に通い始めて2カ月。毎週病気で休むうちの娘は問題があるのでしょうか?」

【森戸】アメリカの権威ある小児科の教科書『Nelson Textbook of Pediatrics』第18版に、小児は平均して年に6~8回風邪をひき、9~15%は少なくとも12回風邪をひくと記されています。少なくともということは、お子さんによっては月1回以上のペースでかかってもおかしくないということ。小さい頃に感染症を繰り返すのは普通のことです。極端にナーバスになる必要はありません。お母さんからもらった免疫力は生後半年でなくなり、そこから数年かかって免疫ができあがり、徐々に風邪もひかなくなります。ただし、入院が必要な重症感染症に年に何度もかかる場合は、免疫系の異常がないかを検査する場合があります。担当した医師に相談してみましょう。

「お医者さんが出してくれるお薬は、とりあえずもらっておいたほうがいいんですか?」

【森戸】昔は熱が出たら抗生剤を処方するのが慣習でした。それもあってか、「前回抗生剤で治ったから、また出して」と言われることがあります。しかし抗生剤は細菌には効果がありますが、ウイルスによる風邪には効きません。「せっかく来たのに薬を出さないのも悪い気がするな」と考えて処方する医者が多いのが実情です。

薬に頼らず治るのが一番の理想ですから、「薬は飲ませたくない」「要らない」という要望があれば、それに沿って対処します。希望を言うのは全然失礼ではないし、医者としてはぜひ言ってほしいです。たとえ医療費の助成で窓口の支払いがなくても、処方箋の発行や薬の提供で医療費は発生しています。その薬を飲まなかったり、余ったからといって捨てるのは、いろんな面でムダということも再確認しておきましょう。

薬が残っている状態で症状が治まった場合には、それ以上飲まなくていい薬もあるし、症状がなくても続けて飲む薬もあります。最後まで飲んだほうがいいかどうかは医者や薬剤師さんに聞きましょう。説明義務があるので、丁寧に教えてくれるはずです。

▼地域外でも重宝するスマホアプリ
《教えてドクター》
長野県の佐久医師会と佐久医療センターが中心になって作成。子どもの症状や病名を選ぶと、病院受診のタイミングや家庭でのケアの方法などを教えてくれる。予防接種のスケジュールを月別に表示する機能や災害時の子どものケアまで盛り込まれている。

《小児救急支援アプリ》
大阪大学、大阪市立大学、大阪市消防局が共同開発。子どもの病気やけがの症状をチェックすると、緊急性を判断してくれる。大阪府内では119番通報への誘導や看護師に救急医療相談ができるが、大阪府以外でも救急車を呼ぶ判断の目安に。

あわせて読みたい

「医療」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    格安スマホ業界にまで波及した価格破壊

    自由人

    06月19日 08:14

  2. 2

    河井克行氏に「実刑判決(懲役3年)」の衝撃。もらう側の罪は?そして自民党の責任は

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    06月19日 08:26

  3. 3

    山尾議員 突然の政界引退に疑問続出「説明責任果たしてない」

    女性自身

    06月18日 22:10

  4. 4

    “酒類の提供19時まで”の制限に議員から厳しい声「居酒屋やバーにとっては休業要請」

    BLOGOS しらべる部

    06月18日 19:42

  5. 5

    スシロー、くら寿司、はま寿司の海外戦略 "日本食ブーム"の海外市場が秘める可能性

    三輪大輔

    06月18日 10:38

  6. 6

    なぜクマが大量出没するようになったのか? 「エサ不足」ではない本当の理由

    文春オンライン

    06月18日 14:37

  7. 7

    少子化高齢化問題に悩む中国 「日本の経験を中国に伝えるのは意義がある」舛添要一氏

    舛添要一

    06月19日 10:36

  8. 8

    ワクチン供与と、国際的な情報戦と韓国外交の茶番劇

    佐藤正久

    06月18日 08:21

  9. 9

    山尾志桜里議員引退へ。悪い意味での「職業政治家」ばかりの永田町の景色は変わるのか

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

    06月18日 10:10

  10. 10

    私が日本の経済財政再建のヒントはルワンダの過去にあると思う理由

    宇佐美典也

    06月18日 12:00

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。