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医療の進歩と社会の進歩のズレ

平成元年に医師となり、医療の進歩を実感してきたこの30年。いよいよ平成の時代も終わりに近づいています。

急性期医療に従事し、自衛隊という安全保障の仕事を行い、この国の危機管理のあり方というものに感じた現場の閉塞感から選挙に出た8年前、ルーチンとして行なっていた仕事から新たな仕事に従事し様々経験することでいろいろ当時と自分の考えも変わってきました。

選挙の公約であった自衛隊への対応は当時と比べ大分改善しています。しかし、血液内科含めたしんどい医療への対応、世界に遅れているバイオを含むテロ等への危機管理についての実際的対応についてはほとんど何も変わっていません。ただその中でメディアの方々や様々な人と繋がることで、周りの状況を考えないで、理想からこうあるべきだ、こうしなければいけないという無責任な発言はこれでも少し控えるようになりましたw

医師は患者の命を守ることに絶対的な正義を感じて行動します。ただそこには中途半端な回復しかできない病態(薬では治せないもの)のフォローまでイメージできていません。特に急性期医療に従事する医師にそれは顕著で、実際患者さんたちが医師が冷たいと感じる一番の理由になっています。そう正しい医療を行なっているのだからそのあとの責任は取れないという寄り添いが感じられないという行動です。

病院が忙しすぎるということが一番の理由ですが、大学での教育にも問題があることも事実です。だってこの30年の医学の進歩を教えるだけでも本当大変ですから。まして患者さんとのコミュニケーションなんて教えるのは本当大変ですし、それを教えるのがコミュニケーションが下手な大学の先生なのですからw

地域の一般病院という慢性期医療を経験することで、医療の進歩(生命を延長させる)に社会環境(狭い意味では生活における良好な介護環境)がついていけていないことを実感しています。そう昔に比べて命だけを維持することが長くできるようになったため、介護する周りが疲れてしまう時間ばかり増やしているのではという疑問です。俗にいう平均寿命と健康寿命の違いでしょうか。

このズレを改善させるのには病院だけでそれをやることは多分無理ですし、それこそ地域医療連携といいう名の行政を巻き込まなければ多分これ以上の改善は得られません。その意味でも現場から発信することは必要だと思っています。

こんなブログでどうこうできる問題ではありませんが、その上で言いたいことは、医師の自己満足である命だけを守る医療だけではもうだめだということです。

それでも医療の進歩は常に目指したい(私の分野ではPD-1などの免疫治療など)という医師の気持ちは大事にしたいですし、薬を売るために誤魔化そうとする一部の製薬会社に騙されないようにすることもとても大切です。(どこまでよくすることが患者にとって本当にいいことなのか)まだまだ勉強を続け正しい医療を発信するよう頑張りたいとお思います。

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