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外国人材拡大に日本の医療のセーフティーネットは大丈夫か

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 神奈川県では、NPOと県と医療団体が連携して医療通訳派遣の仕組みを作っているが、年間の派遣件数は7000件を超えている。通訳ボランティアの対象言語も英語、中国語、タイ語、ベトナム語など13言語にのぼる。医療機関側も言葉が通じれば、早く確実に診断ができる。そのようなちょっとした術がわかれば大きな問題にならない。外国人の受け入れ拡大を決める前に、まずそうした現場の取り組みから議論を始めるべきではなかったか、と沢田氏は語る。

 2020年には東京でオリンピック・パラリンピックが開催され、多くの外国人が日本を訪問することが予想される。しかし、ここにも危惧すべき問題があると沢田氏は言う。政府は今、五輪開催をにらみ、インバウンドの外国人診療における医療通訳養成の事業に力を入れ始めている。外国人医療全体の底上げになればよいが、旅行保険でカバーされる裕福な外国人のための通訳が中心となって、日本在住の外国人患者への対応が置き去りにされることになりかねない。医療ツーリズムなど成長戦略の一環として医療をビジネスとしてとらえる流れに抗うのは容易ではない、と沢田氏はいう。

 外国人材の受け入れが決まった今、日本が整備しなければならない受け入れ態勢とはどのようなものか。何が政府・国会の議論に欠けていたのか。30年間外国人医療に取り組んできた医師の沢田貴志氏と、社会学者の宮台真司、ジャーナリストの迫田朋子が議論した。

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