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家を売るなら“2022年がリミット”な理由

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2022年以降に都内の不動産市況が「暴落」する恐れがある。「生産緑地法」が期限を迎えるからだ。東京23区内では練馬区と世田谷区で深刻な影響が見込まれる。住宅購入を検討している人は待ったほうが賢明、一方で売却を予定している人は急ぐ必要がある。詳しい事情を解説しよう――。

※本稿は、森田聡子『取られっぱなしでいいの? 節税のツボとドツボ』(日経BP社)の一部を再編集したものです。

■2022年に「住宅街の農地」が一斉売却の恐れ

2022年は、「生産緑地法」による指定が解除される年だ(同法は1992年に施行され、期限は30年)。「生産緑地」とは、三大都市圏の市街化区域(都市計画法に基づく概念で、既に市街地を形成している区域や、10年以内に計画的に市街化を進める地域を指す)内にある面積500平方メートル以上の農地を対象とした優遇制度で、「農業の継続」を前提にこの指定が受けられる。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/inomasa)

生産緑地に指定されると、固定資産税が大きく軽減され、相続が発生した場合も相続税の納税猶予が使えるメリットがある。例えば、都内に評価額1億円の土地(1000平方メートル)を所有するケースの場合、通常の固定資産税は年間で140万円(1億円×税率1.4%)に上るが、生産緑地に指定されれば年間7000円(農地評価で50万円×税率1.4%)で済む。

市街化区域内の農家にとっては存続の“生命線”ともいえる制度でもあり、政府は2017年に農業の継続を条件に10年ごとの延長を認める法改正を行った。とはいえ、農家はこの指定延長を希望せず、市区町村に土地の買い取りを要請することもできる。

ただ、予算の関係もあり、実際に買い取りが行われる土地は限定されそうだ。市区町村は近隣の他の農家へのあっせんなども行うが、買い手がない場合は指定が解除される。このような場合、農家は不動産業者に土地を売却するか、アパートや駐車場経営といった賃貸による土地の有効活用も考えることになる。

■東京都だけで20万戸以上が建設可能

農業従事者は年々高齢化しており、2022年を機に農業に見切りを付ける人が増加する可能性がある。このため、「生産緑地の宅地化が一気に進むのではないか」と危惧されている。国土交通省「平成28年都市計画現況調査」によると、生産緑地は全国で1万3187.6へクタール(ha=10000平方メートル)に及び、東京都だけでも3223.7haの広さがある。極論ではあるが、この3223.7haがすべて宅地化されたと仮定すると、なんと20万戸以上の一戸建て住宅が建設できるという。

日本の人口は2015年から減少に転じており、近い将来、団塊世代の相続で都内に空き家が急増することが予想されている。そこに大量の宅地が供給されたら、不動産市場の暴落は免れまい。

これが昨今騒がれている「2022年問題」だ。東京五輪を控えて都心の不動産市場が活況を呈する中で“暴落”と言われても、あまりピンとこないかもしれない。地価への影響が大きいのは、あくまで生産緑地の宅地化が加速しそうな地域だ。

■23区の生産緑地は練馬区と世田谷区が多い

東京都内の生産緑地(画像=『取られっぱなしでいいの? 節税のツボとドツボ』(日経BP社)より)

ここで、東京都の生産緑地の面積の内訳を見てみよう(図表)。都区部と都下で比べると、都区部の428haに対して、都下が2795.7haと圧倒している。都下の生産緑地だけで千葉県(1147.3ha)、埼玉県(1764.8ha)、神奈川県(1360.7ha)をゆうに上回っているのだ。

都下の中でも多いトップ3は、「八王子市」(242.5ha)、「町田市」(232.1ha)、「立川市」(206.7ha)。23区内で生産緑地が目立つのはベッドタウンの「練馬区」(187.1ha)や「世田谷区」(91.1ha)で、この2区で23区の生産緑地のおよそ3分の2を占めている。

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