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焦点:NAFTA失効前に新協定批准できるか、リスクを検証


[トロント 5日 ロイター] - トランプ米大統領は1日、近い将来に北米自由貿易協定(NAFTA)を離脱することを米議会に正式通知する方針を示した。

米国、カナダ、メキシコの首脳は11月30日に新協定「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」 に署名しており、トランプ氏は議会に対し、NAFTA離脱の通知後6カ月以内に新協定を批准するよう要請。議会が批准しなかった場合、3カ国は1994年のNAFTA発効前の規則に戻るとしている。

トランプ氏が、そうした形でNAFTAを離脱する法的権限を有しているかどうかは不明。米下院で間もなく過半数議席を保有する野党民主党は新協定の修正を望んでいる。

NAFTAが失効する前に議会が新協定を批准できない場合、北米の通商に悪影響が及ぶ恐れがある。想定される主な影響を以下にまとめた。

●米カナダ間の関税が不透明に

米国とカナダは1987年のカナダ米国自由貿易協定に基づき、大半の関税を徐々に撤廃することで合意。NAFTA発効後は撤廃が加速し、協定で対象外とされた乳製品、鶏肉、卵、砂糖を除くほぼすべての品目の関税は2008年までに消滅した。つまりNAFTAを離脱しても両国間の貿易への影響は限定的かもしれない。

しかし一部の専門家によると、この合意はNAFTA発効とともに公式に停止したため、両国は合意を有効とするための手続きが必要となりそうだ。合意が復活しない場合、両国の幅広い品目に関税がかけられ、価格が上がるだろう。

●米メキシコ間の関税上昇

NAFTAが離脱されれば、世界貿易機関(WTO)の規則に基づき、メキシコと米国間の輸出入品には「最恵国待遇(MFN)」関税が適用されそうだ。この結果、これらの品目の価格は上がる。

●就労許可

NAFTAの特別ビザにより、ソフトウエア開発などの熟練労働者はカナダ、米国、メキシコ間を比較的容易に移動できる。NAFTAが廃止されればこうした労働者にとって打撃となり、こうした労働者を必要とする企業にとってはコストと手続き面の負担がかさむ可能性がある。

●紛争処理

米国その他の国々は、自国産業を安い輸入品から守るため、「市場価格」を下回る輸入品にしばしば反ダンピング関税を課す。しかし市場価格の水準を巡ってもめることが多いため、カナダの主張でNAFTAに紛争処理の制度が導入された。この仕組みにより、地元の裁判所だけでなく、二国間パネルに対して反ダンピング関税の差し止めを求めることができるようになっている。

NAFTAを廃止すればこの制度もなくなり、3カ国の企業は反ダンピング関税を課されやすくなる可能性がある。

●投資制限

NAFTAにより数多くの産業で投資規制が緩和され、事業を海外移転する機会が生まれた。

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