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民間参入を促す「改正水道法」が成立、水への心配

水道事業の経営の安定化に向けて、民間の参入を促す改正水道法が、今日6日、衆院本会議で採決が行われ、自民・公明・日本維新の会などの賛成多数で可決・成立しました。改正水道法には、自治体の広域連携を進めることや、水道施設を保有したまま、自治体が運営権を民間事業者に売却できる「コンセッション方式」を導入することなどが、盛り込まれています。

この改正法は、さきの通常国会で可決されて継続審議になり、昨日参院本会議で可決されたあと、国会法の規定によって、再び衆院に送られたものです。水道事業を安定させるために水道法を改正しなければならない背景には、40年の耐用年数を超えた水道管が平成28年末時点で、全国で15%に上るなど、水道施設が老朽化していることが、あります。

また、人口減少によって、水道使用量が減少し、この先も50年後には2000年の6割になると予測され、事業に関わる職員の数も30年前より約3割減少しているなど、経営状況が悪化していることがあります。

この改正法について、与党は、水道事業を公設民営にする選択肢も増える等としていますが、野党は、日本の水道事業を、外国資本に売り渡すことにつながる「コンセッション方式」は認められない、安全で安価な水が供給される国民の利益が脅かされることになる、として、反対しています。

水道などの民営化を推進する内閣府の担当部局に水道サービス大手の仏・ヴェオリア社の社員が出向していたり、視察の際に、車を提供してもらったりしていていることからも、水メジャーとの癒着の疑いが浮かび上がっている、と報じられています。これまでに水道事業を公営にした海外の事例を厚生労働省が3件しか調べていない点も、問題になっていました。

この方式で80年代に民営化した仏のパリでは、株主配当と役員報酬が上乗せされ、水道料金は25年間で3倍になった、とのこと。また、米国では、水質の悪化に伴い数年で公営に戻した自治体があります。途上国では、貧困世帯への給水停止という深刻な事態も招いています。

日本人は、水は黙って蛇口を開けば出てくるもの、と考えている傾向が強いように思います。安全で安価な水が、誰にでも提供されることは、重要なライフラインとして、最重要な要件だと考えます。その点からすると、コンセッション方式は、海外でも公営に戻している例が多くあり、営利企業である民間事業者に負わせるには、チェックを厳しくするなどの対策が必然だと思います。

この改正法のもうひとつの要素である、広域連携は積極的に進めていってほしいと思います。これまでは、水道料金の違いなど、それぞれの利害が絡み、市町村にまかせておいては、なかなか進まなかったということです。この法律によって、都道府県が主導して、基盤強化のための計画づくりや協議会の設置をできるようになります。

地域の中で、施設を共有したり、点検作業を一緒に行ったり、可能なことから取り組んでもらえればと思います。私たちも、これからの水の将来像を考えていく必要があると思います。

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