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まずは、技能実習背戸の廃止が先だ!  外国人はモノではない、人間だ!~多文化共生社会の実現こそ今やるべきこと

衆議院で強行採決

 先月27日に衆議院の法務委員会で強行採決され、引き続き行われた衆議院本会議で可決され、参議院に送られ、審議が始まっている外国人労働者の受け入れを大幅に拡大する入管法改正案が今国会最大の争点となっています。

 安倍政権になって酷い法律が多く通ってしまっていますが、今回の入管法ほど、内容面でも審議の進め方においても酷い法案はかつてなかったと言っても過言ではない程、余りにも酷く、議会制民主主義を冒涜する、いや、議会制民主主義を無きものにするような法案なのです。

 まず、具体的な中身が何も決まっていない点です。

 安倍総理は移民政策ではない、単純労働は対象としないと言っていますが、これは単なる言葉遊びに過ぎません。今回新設される「特定技能」なる在留資格で入国した外国人が将来、永住権の取得が出来るのかどうかも定かではないし、単純労働とはどんな仕事かの例示も出来ないでいるのです。

 法務省は立憲民主党の部会で、「単純労働に当たる仕事というのはどのようなモノなのか具体的な例を示してくれ」という問いに対して「砂を右から左へと機械的に移動する」ような仕事だと言い、それ以外のモノは示す事が出来ませんでした。当然、出席議員からは「そんな仕事あるのか」「それだけやる人などいないだろう」という批判が上がったことは言うまでもありません。そんな笑い話にもならないやり取りをする背景には、移民受け入れに反対する自民党議員や排外的な主張を繰り返す安倍総理の支援団体に移民ではないと誤魔化しているからであります。

 また、外国人の受け入れを拡大して欲しいと要望を出している業界が14業種あるというけれども、そのどの業種が対象となるのか、そこで求められる技能水準はどのようなものなのか等も全て法律が成立した後に政令で定めるという答弁を繰り返し、肝心なことは国権の最高機関であり唯一の立法機関である国会には決めさせず、政府内だけで都合の良いように決めてしまおうとしているのです。これは議会制民主主義の否定だと言っても言い過ぎではありません。

 そして、今回の新制度の最大の問題は、国連から奴隷制度だと批判を受けており、年に7000人もの失踪者が出ている技能実習制度を前提とし、技能実習から接続するような内容になっていることです。

 国際貢献だと偽って実態は労働力の穴埋めに使われながら、実習という名目があるが為に労働法規が無視されて、奴隷のような扱いが横行しているような制度を温存したままで、更に在留期間を引き延ばすようなことはすべきでなく、先ずは国際貢献だと偽るのをやめて、技能実習制度を廃止するべきなのです。

 その上で、労働力不足を補う為に労働者をきちんと受け入れる新たな在留資格を創設するべきだと我々は考えているのです。

多文化共生社会の実現を!

 私が政府の姿勢として最も間違っていると思っていることは、政府が外国「人材」という単語を使っていることに象徴されるように、日本に来る外国人を単なる労働力、もっと直接的に言えば、産業を維持するため、経済発展の為の歯車としか見ておらず、「人間」として見ていないことです。

 日本人だろうが外国人だろうが、仕事の場では労働者であっても、仕事から離れれば、一人の人間です。生活者です。その観点が余りにも乏しい、いや、全くないと感じます。

 安倍総理は移民政策ではないから、人手不足が解消したら、帰ってもらうと簡単に言います。技能実習で5年、今回新たに創設する特定技能一号で5年の計10年、移動の自由も家族を呼び寄せることも認めずに労働力として使い倒して、いらなくなったら帰れとポイと捨てるという姿勢で良いのでしょうか。

 私は良いはずは無い、外国人を労働者として受け入れるなら、長期滞在もしくは永住することも視野に入れた制度設計をするべきで、その為には地域社会の理解や受け入れ体制の整備を合せて行わないと、来る外国人も受け入れる日本人も双方が不幸になると感じています。

だからこそ、受け入れる人数については法律できちんと上限を決めて、単に人手不足だからと業界の要請通りに何でもかんでも受け入れ拡大するのではなく、それぞれの地域社会の中で行政の支援体制や学校教育の現場の状況などを考えて地域が受け入れられるキャパの範囲でのみ受け入れる人数を限るべきだと考えます。

 そして、先程も述べた通り、生活者でもあるのだから、地域社会での生活を支える制度をしっかりと国が責任を持って整える必要があると考えます。そうなると出入国の管理を行っている法務省のみでは対応出来ず、省庁横断的な組織が必要になって来ます。そこで、我々は外国人の生活支援や教育などを整えていく為に、省庁横断的な新たな組織「多文化共生庁」の創設を提案しています。

技能実習制度の闇を明らかに!

 法案審議の中で技能実習制度の問題点が報道されるようなりました。これも野党合同ヒアリングで実習生本人達から、実際に受けて来た体験を語ってもらったからであります。

 また、法務省が失踪した技能実習生から聞き取った失踪した理由の調査の内容が明らかになってきたことで、法務省、政府が不都合な事実を隠していたことも明らかになりました。この調査は2年前に技能実習制度の見直しの法改正を行った際に衆参の委員会で附された附帯決議に基づいて行われたもので、当初の法務省の発表では失踪理由の一番は「より高い賃金を求めて」という実習生がお金目当て、我がままから失踪したかのような印象を与えていました。しかし、公開された個々の調査票を見ると残業代が未払いであったり、最低賃金を大幅に下回る時給3百円程度で働かされていたり、休みが一日も無かったりと生きていけないような低賃金で働かされていた実態が明らかになったのです。

 このように外国人を奴隷扱いするのはもう止めましょう。安い労働力と見るのではなく、日本経済・社会を支えてくれる大事なパートナーとして大切にしていくべきです。

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