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【参院法務委】入管法改正案への国民民主党の対案を審議


 参院法務委員会で4日、国民民主党が参院に提出した「外国人労働者等の出入国及び在留の適切な管理に関する法律案」が政府提出の入管法改正案とともに審議された(写真上は小林正夫議員の質問に答弁する桜井充議員)。

 法案発議者の桜井充参院議員は、今後の活力ある日本社会の実現のために外国人労働者が必要であることから、外国人労働者の能力が存分に発揮され、地域社会や生活の現場において国民との協働・共生が推進されていくことが望ましいとの認識を示した。その推進のために「外国人の基本的人権を尊重するとともに共生社会の実現に資するよう配慮しつつ、外国人労働者及びその扶養を受ける配偶者又は子の出入国及び在留の管理を適切に行うため、外国人労働者等に関する制度の在り方について必要な措置を講ずる必要がある」との考えから立案したと説明。

 国民民主党の小林正夫総務会長が質問に立ち、「外国人労働者の受け入れそのもの」についてどう考えているかをただした。桜井議員は国民民主党として政府案には反対だが、「外国人労働者の受け入れ」に対しては賛成の立場であることを主張した。

質問する小林議員

 法律案に「外国人労働者をその在留資格の性質に応じて在留資格の変更に際して一時的に本国に帰国させるための措置に関する事項」を設けた理由については、「外国人労働者が都市部や給与の高い業種に集中しないよう、受け入れ先が変わる場合に一時帰国し、再入国してもらう」と回答した。「それは職業選択の自由を保障した憲法に抵触しないのか」との問いには、「職業や居住選択の自由も制限していない」と答弁した。

 政府案では「特定技能1号」と「特定技能2号」の区分を設けているのに対して、国民民主党案では外国人労働者を区分していない理由については、「外国人労働者と日本人労働者は出入国以外、労働者として同等に取り扱われるようにすべき。日本人が海外で働く場合も家族の帯同を認めないということはない。外国人労働者と日本人労働者の差別をなくしていくための制度設計だ」などと強調した。

 公明党の伊藤孝江議員からは「閣法についてどのような点が不足していて、それをどう反映させた法案なのか」との質問があった。それに対して桜井議員は次の3点を挙げた。まず、「一番不足しているのは、審議している時間だ」と指摘し、6カ月かけて国民に対してきちんと説明し、国民の理解を得た上で制度の見直しに取り組むべきことを提案した。

 2つ目として閣法で外国人労働者を特定技能1号、2号と熟練度によって分けていることについて、「日本人労働者にそういう規定を設けていない。外国人だけ特別にそういう扱いをするのもおかしな話だ」と問題視。また、家族の帯同を原則認めない規定について「日本人労働者が海外に行く際、どこの国の人たちが家族の帯同を認めないのか。そういう視点からすると非常におかしな制度になっている」と疑問を呈した。

 3つ目として国民民主党の対案に外国人労働者の受け入れ先企業が変わった際に一度帰国してもらい、その後に再入国してもらう措置を設けたことについて、「職業や移動の自由を認めると、都市部に人が集まったり、ある職種に偏ってしまったりするのではないか。実際、他国でも同様の問題が起こっており、それを少しでも緩和するために他国でこのような制度を置いていたので付け加えた」と説明した。

 「沖縄の風」の糸数慶子議員は、国民民主党案に「外国人労働者等に関する制度の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」としている部分について、誰がどのように検討を加えるのかを質問。

 大野元裕議員は、政府が施行後6カ月以内に検討を加えると答弁。6カ月の期間で地域における低賃金の待遇改善や条例など、外国人を受け入れるにあたって多くの問題を政府が検討してから国会に関連法案を提出するものと説明し、新たな外国人労働者の受け入れを可能にする法案を成立させてから重要事項を検討する政府案とは全く異なることを強調した。

質問に答える大野議員

 その後、政府提出法案に対する質疑に桜井充議員が立った。

 桜井議員は(1)外国人労働者の差別的な取り扱いの防止策(2)人手不足が深刻な地方における外国人人材の確保(3)医療保険制度の悪用防止(4)技能実習生を含めた日本で働く外国人の実態調査の実施――の4つの観点から質問を行った。

 そして(1)に関しては、国としてある種の俸給表をつくってみてはどうか、と具体的な提案をしたところ、「他省庁と連携しながら、しっかり検討させて頂きたい」との山下貴司法相の答弁を引き出すことができた。また(2)に関しても、構造改革特区制度の活用などにより、個別の地方自治体が外国人を受け入れ、その地域に住んでもらう制度案について質したところ、「総合対応策などで盛り込めるか検討したい」(山下法相)、「地方自治体が深く関与した場合、その地域に人材を留められるような制度作りができないか考えていきたい」(和田入国管理局長)などの前向きな答弁を引き出すことができた。また(3)と(4)に関して、桜井議員が「協会健保で医療費が膨らむようなことになると、中小企業にとっては負担が大きく大問題だ」「現状では(外国人の医療保険利用などの)データが全くないので、必要な予算の規模が推計できない」と、制度設計のための正確なデータの必要性を指摘したところ、「国保については、一定程度国籍別のデータを得ることが可能なので、早急に整理したい」(渡辺審議官)との答弁を得た。


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