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ノマドな私の自己実現

前回『「パブリックな消費」という名の生産』で、私は

私は別に理論家というわけではなくて、自分が実際に行動を取るために必要な分の理論的根拠を考えているにすぎない。実は、自分自身でパブリックな消費を実践する構想を暖めている。


と書いた。

これから、自分がどういう人生を送りたいのか、何が欲しいのか、何をしたいのか、すべて克明に記録して発表するつもりだった。だが、昨日の午後、ずっと考えていて、自分の欲望を克明に表現するのは思ったよりずっと難しいことだと思い知った。

基本的に、私はこれから世界各地と日本を往復しながら生きていこうと考えている。私は、短期間に次々と訪問場所を変えて、名所旧跡を訪れる「旅行」が苦手だし、あまり興味がない。私は、「住む場所」としての外国にしか興味がないのだ。できれば1カ所に数ヶ月ずつ暮らしてときどき日本に帰る、という生活をしたい。

どうして私は外国に住むことに惹かれるのか?外国は日本とはすべてが違う。言語から始まって文化風習まで異なっている。私は、子供の頃からパラレルワールドに憧れていた。自分の生まれ育った場所とは、全く異なったシステムを持つ世界にどうしようもなく憧れを抱いてしまうのだ。

ただ、外国に住んで何もしないのは退屈だ。何らかの形で人のためになることをしたい。その結果、生活に必要な最小限の生活の糧は得たい。

現地でビジネスを行うのは法律上のいろんな障壁を乗り越えなければならない。雇用されるには就労ビザが必要で、時には取得が非常に困難だ。インターネット上からカネを稼ぐほうがいろいろ問題が少ない。私が Skype 相談サービスをやっているのも、そういう事情がある。

Skype 相談の他にも、私が海外にいる間、何かお役に立てることはないだろうか?その代わり私が海外に滞在することに関して何らかの支援をしていただけると嬉しい。イメージとしては「なでしこ Voice」の濱田真里さんがクラウドファンディングで資金集め(fundraising)しているような感じで。

私は、海外に行って五つ星ホテルに泊まってリゾートライフを満喫したい、とかいう気持ちはほとんどない(たまにはいいだろうけど、すぐ飽きそうだ)。骨の髄までバックパッカーで、安宿暮らしでかまわない。とにかく現地社会を文化・言語・政治・経済等の多方面から考察するのが好きでたまらない。できれば一生そうやって生きて行きたい。そういう人間がどれくらいいるのかわからないけれども、私はそういう活動がもう好きで好きでたまらない。

逆に、世界中に住んでみたい、という以外の欲望は私にはほとんどない。物欲は異常に薄い。家や車はもちろんのこと、コンピューター関係のガジェットをあれこれ買いたいという欲求すらない。私の身体の90%は「移動欲」でできている。

結局のところ、私はノマドなんだろう。ノマドという言葉を初めて使ったのは私が1997年に IT の分野で独立したときだ。「スタジオ・ノマド」という屋号で当時活動していた。当時から私はノマドという言葉が好きだった。最近は「ノマド」という概念やライフスタイルを巡って、ネットの一部で議論が巻き起こっているようだ。一部では「ノマドとはどの国でも暮らしていけるスキルを持ったスーパーエリートのことである」とか言っている人もいるそうで(笑)。まあ、金持ちならどこの国に住むのも簡単だろう。私にとってノマドのイメージは、むしろもっと庶民的なものだ。「男はつらいよ」の寅さんに近い。寅さんも旅先で日銭を稼ぎながら暮らしていた。私もそういう生活がしたい。

こんな人間なので、この先も結婚して定住するのは難しい気がする。ときどき私も好きな女性ができたりするのだが、こんな自分の人生につき合わせるのが申し訳なくて、遠目に見送ることも多い。女性の方もノマドで両方とも世界を常に移動している、というのならアリかもしれないが。もっとも、結婚せず子供もいないとしても、私がときどき誰か他の子供を預かって面倒を見るような「パートタイム父親」でも楽しいかもしれない。

私が人の欲望について語るとき、常に念頭にあるのは、アブラハム・マズローの自己実現理論である。生理的欲求や承認欲求など「何かが足りないから欲する」種類の欠乏欲求が満たされた後には、自己の潜在能力を全て発揮したいという「自己実現の欲求」が中心になるという思想だ。大筋では、この思想に異を唱える人は多くないだろう。

(この本はなんと5000円もする!アフィリエイトのリンクを張っておいて言うのもなんだが(笑)図書館で借りるのが賢いかもしれない。私は、高校時代にこの本を購入して、何十回読み返したかわからない。私の世界観形成に決定的に重要な役割を果たした一冊。世界観がまだ固まっていない若い人たちにぜひ一読をお勧めしたい)

評価経済論を提唱する人でマズローの影響を受けていない人はいないんじゃないか。評価経済は「人間が物質的に満たされて、ヒマでヒマで仕方ないときには、きっとその人が一番やりたいことをやるだろう」という楽観主義が前提にあるが、そのためにはマズローの自己実現理論が正しくないと困るのだ。もちろんマズローの理論は、厳密に実証されたわけではなくて、まだ仮説にすぎないわけだが、これから我々が突入するであろう評価経済において、その仮説が検証されていくことになる。私はもちろん、それが実証されるはずだと信じているが。

この欲望が私を最後にどこに連れて行くのかまだよくわかっていないのだが、世界のいろんな場所に滞在するということが私の自己実現と深く関わっているようだ。これからもっとこの欲望を具体化して表現して行きたい。それを純化して突き詰めていったとき、それは「自分さえがよければいい」というような独りよがりのものではなく、必ず他者を巻き込む社会的なものになる予感がする。私はそこで何らかの形で皆さんの人生にお役に立つ活動をしたい。そして、皆さんに私の夢の実現に向けて少しだけ支援していただけたら、とても嬉しい。

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