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台湾の地方選挙の結果を受けて

 11月24日に行われた台湾の地方選挙において、与党・民進党が大敗し、蔡英文総統が民進党の党首を辞任することとなりました。私の旧知でもある頼清徳行政院長も一時期辞意を表明するなど、台湾の政治情勢の混乱が見られます。

 今回の結果が何を意味するものなのか、日本にとって地政学的に極めて重要な台湾の国内政治状況に関しては、日本の将来、安全を考えるうえでも関心を払わざるを得ません。

 私自身、今年10月までの青年局長時代、与党自民党の対台湾関係の責任を負う立場だったこともあり、この二年半で8回台湾を訪問し、台北のみならず、金門島や台湾東部や中部を含む都市部にも地方にも足を運んで、いろいろな方と意見交換してきました。その感触からしても、中国共産党が盛んに主張するような「親中」という文脈での選択を、今回の地方選挙で台湾の人々が行ったとは正直考えられません。

 むしろ、蔡英文政権が国内の政治問題に加えて、対中国の姿勢においても、厳しいスタンスを明示せず、様々な問題でバランスをとりすぎてきたことへの不満が台湾人の間にあり、結果として支持を失っていたことを私自身、耳にしていました。

 そもそも、率直なところ、一部を除けば、民進党、国民党問わず、また世代を超えて、日本に対しては親日的な基本のスタンスを持っています。その背景にあるのは台湾人の親日的な世論に他なりません。それは蔡英文総統を支持する人、しない人に共通する傾向です。アメリカに関しても親米的な感情は親中的な感情よりも強いのが台湾の方々の率直なところだろうと思います。

 だからこそ、外交姿勢、中国とのスタンスは地方選挙におけるメインのテーマとはなり得ません。決して親中か親日・親米か、あるいは親中か独立かという選択の結果が今回の地方選挙の結果ではないという実態を我々は忘れるべきではありません。

 共産主義独裁国家であり自由な報道や言論の自由がない中国と異なり、自由で民主的な台湾においては政権交代も選挙によって平和裏的にこれまでも起こってきています。そして外交や安全保障に関しては歴代の政権が、親日・親米路線を基本的に踏襲してきています。最も親中的と言われた馬英九政権においても、震災時の対応にみられるように日本との関係を重視していたことからもそのことは明らかであろうと思います。

 中国共産党の宣伝に乗せられることなく、日米両国が冷静に今回の選挙結果を受け止め、中国の軍事・経済的な攻勢にひるむことなく、台湾との関係をさらに強化していくことがアジア地域全体の安定のために極めて重要です。

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