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<徴用工問題>「日本相手には時効は存在しない」という判決が示すもの

11月29日、三菱重工に対する挺身隊裁判の判決が行われました。当初の予想通り、三菱重工側の敗訴です。

「三菱重工業にも賠償命令 元徴用工訴訟」

戦時中に広島の造船所などで働かされた韓国人の元徴用工5人の遺族らが損害賠償を求めた訴訟で、韓国の最高裁は29日、三菱重工業の上告を棄却し、元徴用工1人あたり8000万ウォン(約800万円)の支払いを命じた2審判決が確定した。

https://mainichi.jp/articles/20181129/k00/00e/030/230000c

前回の住友住金の判決とそう変わらないと思いきや、いくつか新たな解釈が付け加わっており、なかなかに強烈なものとなっております。

■「日韓併合」を違法と認定。併合時代の全てが違法に

ご存知の通り、日韓併合は韓国の議会採決による決定を根拠にして行われました。当時の朝鮮の選択としては、

1 中国の属国に戻る

2 ソ連の属国になる

3 日本の属国になる

以上の3つの選択肢がありました。まぁ当時の中国の属国の厳しさは、朝鮮は身をもって知っていましたし、ソ連の属国はひょっとすると中国以上の厳しさがある選択肢です。結局日本の属国になることが、一番現実的でした。今の価値観ですら、上の3つから選べと言われたら日本を選ぶのが正しい選択でしょう。ヨーロッパ諸国は今でもアジア各国に対しては冷淡ですしね。

今の韓国において、この選択は「売国行為」とされていますが、半島の小国が独立を保ったまま生き残れるほど、生易しい状況ではありませんでした。また、島国日本と仮にも大陸に繋がった朝鮮とは、周辺国からのプレッシャーは比較になりません。朝目が覚めたら、目の前を戦車が走ってるかもしれないわけです。敵国と陸続きという環境を経験したことの無い日本人には、想像も出来ない不安感があったはずです。なので、当時の韓国の選択肢としてそこまで間違っていたとは思いませんし、日本としても無料でソ連を睨む位置に橋頭堡が増えるわけですから、受け入れるのは仕方なかったろうと思います。まぁ今から思えば、併合ではなく軍事同盟程度に収めて、軍の通過の変わりに経済援助を行う程度にしておけば、ろくでもないことにならなかったのかなと思いますが。

しかし、今回の判決では、この「日韓併合」自体を「違法」と判決確定してしまいました。

「韓国に広がる「日本どうでもいい」の理屈」

すなわち、韓国大法院の判決は、植民地期を生きた韓国人の日本の植民地支配に伴う慰謝料の個人的請求権を、請求権協定の枠外としたのみならず、その不法行為の範囲を極めて広く認定することにより、広範な人々が日本による植民地支配に伴う慰謝料請求権を有することを実質的に認めたことになる。

https://president.jp/articles/-/26852#cxrecs_s/

要するに、当時のできごと全てが違法と判決されたのです。だから全てにおいて慰謝料を請求することができてしまいます。ここで「当時の未払いの給料を払え」とか「当時の給料が著しく低いので差額を払え」とか、言っていないことが重要です。認めているのは慰謝料。つまり精神的苦痛なんですね。でもこれも日韓基本条約締結時に、「個人への慰謝料は入るのか?」と日本側が確認したら、当時の韓国側が「当然入るので、韓国政府から慰謝料を支払う」というやり取りが記録されていますので、判決の解釈は間違っています。

まぁ間違っているというか、韓国政府が「支払う」と明言していたのですから韓国政府が払えばいいのです。当時の賠償金を経済復興に回した結果、韓国は受け取った何十倍もの利益を生み出したわけで、その利益を還元すればいいのですね。

■日韓は既に開戦していたのかもしれない

もう一つ象徴的な文言が判決にあります。それは本件に関して、時効を認めなかったことです。

「元徴用工訴訟、三菱重工に賠償命令…韓国最高裁」

債権者が支払いを求めないと権利を行使できなくなる「消滅時効」の完成を被告が主張していることについては「原告らへの債務履行を拒むことは不当であり、信義誠実の原則に反する権利乱用であるという下級審の結論を受け入れた」と説明した。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20181129-OYT1T50049.html

ではなぜ時効を認めなかったのか? その理由が凄いです。

信義誠実の原則に反する権利乱用である

これ実は大変な判例を作っちゃったことになるんです。何故かと言うと、他の訴訟で「真偽誠実の原則の観点から、時効を認めるべきでない」と主張されたら、裁判所はどう答えるのかってことなんですね。この場合、「判例として出された徴用工裁判は、日本に対するものなので判例として適用できない」って、裁判所は答えるしかありません。実際はもっと面倒臭い言い回しになると思いますが、大筋は変わらないでしょう。これは逆に言えば、「日本相手には、時効は存在しない」と裁判所が宣言したことになるわけです。

無いだろうなと思いつつ、国家間の裁判で一方の国の権利を認めない判例とか司法停止の事例を探したんですが、やはり「サッカー戦争」と言われた「エルサルバドル・ホンジュラス戦争」など、本当に戦争になってしまった事例しかありませんでした。これは「敵国の兵士を殺傷しても、罪にはならないよ」っていう宣言が必要だから記録に残るんですが、そういう意味でも、今回の判例がどれだけ特殊か、わかろうと言うものです。

いや、ひょっとすると直接銃火を交えていないだけで、実は日本と韓国はとっくに戦争状態に入っているのかもしれませんね。

■韓国は「基金設立」が落とし所と繰り返しサイン

「韓日の絡まった糸を解くために1+1+1基金も考慮できる」2018年11月30日

李元徳氏は「日本の懸念は韓国で『賠償要求津波』が広がること」としながら「1+1+1解決法を現実化するには韓国政府が先に日本政府に対して『65年体制を根本的に否定する新たな物質的補償を要求をしない』というメッセージを与える必要がある」と述べた。日本政府が「開き直り」態度を示したとしても、日本政府を説得してこそ日本企業が動くということだ。

https://japanese.joins.com/article/633/247633.html?servcode=A00&sectcode=A10

韓国の様々なメディアに出てくる「徴用工問題」の解決策は、「基金設立」です。日本政府に金を出させず、日本企業に金を出させることで、解決できるとしています。

しかし同じように解決を目的として設立された「慰安婦 和解・癒やし財団」は解散したわけです。「徴用工基金では解決できない」とすぐにわかる前例が目の前にあるのに、金を出す馬鹿はいるでしょうか? 

慰謝料の範囲を無限大にし、時効を日本だけ無効にし、役に立たない「基金設立」を叫ぶ韓国。まだ日本が韓国の出す案に乗ると考えているのは、過去の日本が韓国の案に乗ってきたからでしょう。さすがに、もう言う通りにはならないよ、と示す時が来たと理解してもらいたいです。

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