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ゴーン事件で東京地検のプレゼン力を憂う

 残念ながら、一般に、日本人はプレゼン力が弱い。小学校時代から詰め込み教育ばかりやっているからだとか、タコツボ社会だからだとか、権威主義的だからだ、とか、アティチュードの問題として、語られる。

カルロス・ゴーン氏逮捕は国際的な大事件になっている。日本は元徴用工事件で、司法と政治が絡む部分で隣国ともめている。だからこそ、国際的に通用するやり方でプレゼンをしていくことが求められる大事な時だ。

ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)など海外メディアが、ゴーン氏逮捕と長期勾留を「中国並み」と批判した。これについて、東京地検の久木元伸・次席検事が、「それぞれの国の歴史と文化があって制度がある。他国の制度が違うからといってすぐに批判するのはいかがなものか」、と「反論」したという。正直、最低の反応だと思う。

これは、ウイグルやチベットを弾圧している中国政府が、そっくりそのまま借用できる言葉ではないか。つまり海外メディアの正さを証明しているだけではないか。韓国政府が、元徴用裁判を批判する日本人に対抗するために、引用したらどうするのか。

 米国、英国、仏国・・・「欧米諸国」とくくられる諸国のそれぞれは、具体的な制度を見たら、すべて全然違っている。彼らが相互に信頼しあうときに参照するのは、「人権」とか「法の支配」とか「法の前の平等」とか「デュープロセス」とか「推定無罪」とか、普遍性を持つ原則だ。共通する価値観を確認して初めて、文化事情に応じた適用方法の違いを理解することができる。

だいたいこんな最低の対応を、「反論」と描写するメディアも、どうかしている。言葉の普通の意味で、この発言は、「反論」になっていない。これは単なる「開き直り」だ。

ゴーン事件の行方が混沌としてきている。時間がかかりそうだ。とりあえずは、日本人の評価を下げることを、国際的に目立つ形でやらないように、心がけてもらいたい。

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