記事

「入管法改正案」衆議院本会議で可決。より良い制度提案を!

11月27日、外国人労働者の受け入れを拡大する「入管法改正案」が、衆議院で可決されました。(私は反対票を入れました)

(1)受け入れ拡大の方向性には賛成

私の地元・愛知は人手不足の声が多く、東京に次いで外国人労働者の多い地域です。特に、技能実習が認められていない業種(飲食業など)では、対象拡大を渇望する声も強いです。
地元議員として、こうした声に応えたいと考えており、受け入れ拡大の方向性には基本的に賛成です。

(2)まずは「増子化」

ただし、物事には順序があります。私の基本政策の一つは「増子化(ぞうしか)」社会づくりであり、外国人の前に、日本人が増える環境づくりが必要と考えます。
しかし「今そんなこと言っても、生まれた子どもが働くようになるまで20年かかるじゃないか」と言われます。
ごもっともです。でも、人口減少傾向は今判明したのではなく、本来とっくの昔に増子化政策を進めるべきでした。あとになってあれこれ言っても仕方ありません。20年先を見据え、今こそ「増子化」に力を入れるべきです。

(3)なぜ1日を急ぐのか?

さて、そう指摘した上で、今回の外国人の受け入れ拡大を考えます。

政府の法案も、与党の審議の仕方も、ひどいですね。法案は中身が乏しく、国会審議では「詳しくは法案成立してから検討する」で押し通しました。来年4月の施行に向け、12月10日までの会期中に成立させるため、異例のペースで衆議院の審議を終えました。安倍内閣は、高支持率を背景に、もはや国会審議など面倒くさい、どうでも良い、という感覚になってきたようです。

良くも悪くも均質性が高いと言われてきた日本への外国人受け入れ拡大を、こんな風に決めてしまって良いのでしょうか。近い将来、国家の根幹を揺るがす可能性すらあります。

(4)「移民政策」とならない受け入れ上限とは

「移民政策はとらない」と言う安倍総理ならずとも、多くの国民は、過度な外国人の受け入れを懸念しています。
しかし、その懸念に応える肝心の「上限」は、あいまいです。業種別に積み上げた35万人(最初の5年間)という数字も目安であって上限ではない。具体的には法律ができてから、政府が「分野別運用方針」で定めるそうです。

(5)失踪した技能実習生の実態は?

そもそも、従来の外国人技能実習制度は、本音と建て前の矛盾に満ちた、問題の多いものです。技能実習生は、原則3年の期限付きで、日本で修得した技能を母国へ持ち帰るという国際貢献的な建て前の制度であり、安価な労働力を求める企業の本音とはかなり乖離しています。
その結果、実習生が期待した仕事や処遇でないことも多く、失踪した実習生は年間7000人以上にのぼります。

今回導入される在留資格「特定技能1号」の多くは、技能実習を終えた外国人の在留資格を切り替えることになります。失踪が続く現状を放置し、漫然と次の段階に入れば、また新たな過ちが起きるでしょう。
外国人を「安価な労働力でなく、一人の人間」として扱うために、国は何をするのか。これも、法律ができてから、検討するようです。

(6)もっと審議すべき事項

衆議院では、わずか17時間のドタバタ審議で終わりました。
私は、外国人が暮らす地域に責任を持つ自治体との協議が十分行われていないことが、何より問題だと考えます。住まい、自治会との関係、日本語教育、福祉、医療、学校教育など直接責任を持つのは、自治体です。特に、子どもたちにとってはその地域が故郷、アイデンティティとなる可能性があるのですから、受け入れ体制は重要です。

また、審議の中で、国民民主党は法施行を6か月延期し、①地方の人材確保、②客観的かつ合理的な受け入れ上限、③外国人労働の待遇、④在留資格の変更に際しての一時帰国、⑤現行制度の実態把握と抜本的見直し、⑥社会保障と教育、⑦家族帯同など人権配慮、⑧多文化共生施策、の8点を集中検討すべきと提案していますね。

こういう建設的な提案には、与党は乗るべきです。これ以上、中身の乏しい法案の中身を政府に問い続けても益はありませんので。

外国人の受け入れ拡大は、国家の根本課題ですから、与野党を超え、国家運営に責任を持つ政治家として、より良い制度提案にしのぎを削るべきです。現場の実情と、国民との対話を踏まえ、20年、30年先の日本のビジョンを描くのが、国会の役割と考えます。

あわせて読みたい

「出入国管理及び難民認定法」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    バレーのジャニ依存 海外で批判

    WEDGE Infinity

  2. 2

    韓国法相辞任で文政権崩壊はない

    文春オンライン

  3. 3

    法相辞任 文政権は崩壊に向かう?

    早川忠孝

  4. 4

    旧民主の悪夢 八ッ場ダムに脚光

    早川忠孝

  5. 5

    教師間いじめ 評価高い加害教諭

    非国民通信

  6. 6

    ラグビー主将が忘れぬ日本の募金

    文春オンライン

  7. 7

    台風19号を政争の具にする愚かさ

    自由人

  8. 8

    少女像以外も政治的なあいトリ

    紙屋高雪

  9. 9

    素人の台風撮影に頼る報道へ苦言

    krmmk3

  10. 10

    横浜・鶴見川 今後も氾濫の危険

    かさこ

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。