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「日本で一番ワイルド」棒倒しに衝撃受ける米メディア「こんなの見たことない」

「日本で一番ワイルド」棒倒しに衝撃受ける米メディア「こんなの見たことない」 Abasaa / Wikimedia Commons

 棒倒しといえば、運動会のなかでも華やかな競技の一つだ。2つのチームに分かれ、各々自陣に立てた棒の守りを固めつつ、敵陣の棒によじ登って倒す。学校行事でよく目にするシンプルな競技だが、ほかに類を見ないワイルドかつユニークな競技として米メディアの関心を引いている。

♦︎忍者の活躍するラグビー

 ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)は、「日本でもっともワイルドな競技、棒倒しの組織されたカオス」という見出しで、東京のある有名私立高校で伝統となっている棒倒しの様子を伝える。親や卒業生などが見守るなか、上半身裸の二・三年生たちが掛け声とともに運動場を駆け抜け、相手チームの生徒たちに突進する。相手を引っ掻き、押しのけ、上に飛び乗って進撃を繰り広げると、両チームの棒はまるで荒波に揉まれる船のマストのように揺れ動く。この学校の場合、90秒以内に敵チームの棒の先端を地面から1.4メートル以下に下ろしたチームが勝者となる。大人数が入り乱れて激しい攻防を繰り広げる棒倒しは、初めて見る者には集団のカオスに見えると同紙は表現する。

  CNN(10月26日)は、戦略性のある競技として棒倒しを紹介している。CNNが紹介するチームでは、試合開始と同時に、ディフェンスを5つの班に分ける。はじめに少数のグループが棒の根元に足を絡め、がっちりと基礎を固める。その上から別のグループが身を寄せ、守備を厚くする。3番目のグループは突進してくる敵勢に立ちはだかり、4番目のグループは味方の肩の上に乗って攻撃者たちを引きずり下ろす。最後の壁は、忍者と呼ばれる特別なメンバーだ。身軽にも棒の先端にしゃがみ込み、敵を蹴り落とすと同時に、体重を使って棒のバランスを取る役割を担う。CNNの記者は棒倒しの試合を見ながら、「ラグビーであり、アメフトであり、レスリングであり、相撲でもある、クレイジーで独特のものだ。こんなのは見たことがない」と述べている。

♦︎聞いたことがないほどエクストリーム

 あまりにも激しい攻防に、各メディアは安全性への心配を募らせる。「おそらくあなたが聞いたこともないほどエクストリームな競技」との見出しを躍らせるCNNは、数百人が激しく体をぶつけ合い、相手の手足を引いたり頭を蹴ったりするスポーツだと述べ、激しさを強調している。キックが許可されていることも危険要因だ。アメリカでもアメフトやホッケーなどの激しい人気スポーツはあるが、強靭なプロテクターを装着するのが一般的だ。対する棒倒しでは、簡素なヘッドギアや膝当てのみを着用し、シャツすら着ないで行われるケースも多い。  NYT紙は、捻挫、擦り傷、鼻血が後を経たないと指摘。鼻を骨折したり、脊髄や頬骨を損傷することさえあると報じている。同紙によると、2016年までの11年間で負傷者数は52%も増加した。運動部・文化部を問わず参加させられる競技であり、生徒間の運動能力の差が年々大きくなっていることが原因になっている可能性があるという。前述の私立高では試合時間を2分から90秒に短縮するなどの措置を取っているが、依然として生徒の怪我が絶えない。同紙は、あまりに危険なため今では競技を廃止した学校も多いと伝えている。

♦︎裸が育むチームワーク

 課題の多い棒倒しだが、各校に根付く伝統文化として誇りに思う関係者も多い。CNNの伝えるところでは、日本のある教職者は、教師の立場としては生徒の怪我が心配だが、一人の男としては競技に参加する生徒を誇りに思っている、と語っている。また、棒倒しに参加するある生徒は、50年以上も毎年学校で行われてきた行事なのでとても大切だと述べた。

 NYT紙は、学校に息づく通過儀礼としての側面を紹介している。上半身裸で1ヶ月間行われる練習を通じて、チームワーク、強さ、スポーツマンシップが養われるという。ある卒業生は、学校の文化の一つであり、互いに打ち解ける機会だと語る。危険を感じつつ、先輩から受け継がれた文化に参加することを誇りに思う生徒も多いようだ。1世紀の歴史を持つ、日本のユニークなゲームだと同紙は紹介している。

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