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なぜ急ぐ外国人労働拡大 衆院で法案を強行採決

外国人労働者の受け入れを拡大するという、これからの日本社会のあり方にもつながる入管難民法などの改正案が、昨日27日の衆院本会議で、自民、公明、日本維新の会の賛成多数で可決されました。

大事な法案を、短い審議時間で、現在の外国人技能実習生の劣悪な雇用環境、新たな在留資格による受け入れ見込み数の根拠など、多くのことがあいまいなままで、「検討中」という答弁ばかりが目立ち、野党が指摘するように中身が「スカスカ」のままで、強行に採決したことは、拙速にすぎ、禍根を残すことになると考えます。

国会の委員会は、原則定例日に開催することになっているのに、定例日以外も開き、安倍首相の外遊の前にとか、臨時国会会期末までにとか、政府与党の都合だけで、欠席した野党や会派を閣僚などが着席して待つ「空回し」を含めて、たったの15時間45分の審議で採決しました。

新しい資格のうち一定技能が必要な業務に就く「特定技能1号」は6割が現在の技能実習生から移行するというのに、山下法相は「両者は別物だ」と繰り返し、野党の批判には答えずに、ひたすら来年4月に新制度を開始することを目指しているように見えました。

技能実習生の実態調査の結果が、大きく実態と違い、これも捏造といえると思うのに、法務省は訂正しただけです。

「特定技能1号」は在留期限が通算5年で家族の帯同は認めないことも、人権問題という指摘もあります。

受け入れる人数も、各省庁が積み上げたものだけで、統一性がなく、この人数さえはっきりしません。

特に心配するのは、「労働力」ではなく、「労働者」が入ってくるのに、どのように日本社会に受け入れ共生していくかが、全く示されていません。

これも年末までに対策を示すとしています。

なぜ、このように不完全な法案を強行採決するのか。

来年は夏に参院選があり、その前に、人手不足に悩む産業界の声に応えたい、一方で、外国人を移民として受け入れることなどに抵抗がある安倍政権の主な支持層にも応えたい、ということから、中身をはっきりさせないまま法律改正をして、あとは省庁の裁量で決められる政省令で、という最近の悪しきやり方をとっていると思われます。

数の力で、国民の代表である国会での審議を形骸化するやり方を続ければ、禍根を残すことは確かです。

これからの参院での審議を見守りたいと思います。

野党が批判だけして対案を出さないことへの批判がありますが、野党の政策を どれだけの人が認知するか、もちろん政党の広報の仕方も工夫がいりますが、ほとんど注目されないこと。

また、今の安倍政権は、恥ずかしげもなく、野党の政策を丸ごとパクること、などからすると、批判をする方が効果的、ということになってしまうのです。

何とか、野党の政策も注目されるようになり、建設的な議論ができる国会にしてもらいたいものです。

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