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北方領土、安倍首相が2島返還に方針転換 - 柴田鉄治

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イスラム武装集団に囚われていた安田純平さんは無事帰国

 一方、イスラム武装集団に囚われていたジャーナリストの安田純平さんは、3年4か月ぶりに解放され、無事に帰国した。政府は「身代金は払っていない」と強調しており、カタール政府が、いろいろ面倒を見て仲介してくれたようだ。

 帰国後、記者会見した安田さんは「感謝と謝罪の言葉」を述べたが、「なぜ謝るのか」という質問に、「私が間違えたところもあったので」と答えていた。

 本人がどう考え、謝ってももちろん構わないが、戦地に取材に行った安田さんの行為を「自己責任だ」とネットなどで非難する行為はいただけない。ジャーナリストが危険地帯に取材に入るのは、いわば使命感であり、一般市民は感謝こそすれ、非難することではないはずだ。

日産自動車のゴーン会長が逮捕される

 倒産しかかった日産自動車を立て直した功労者、カルロス・ゴーン会長が、受け取っていた報酬を過少に報告していた容疑で、東京地検特捜部に逮捕された。90億円もの報酬を50億円も少なく報告していたというのだから驚く。

 日産自動車を再建してすぐ、超高額の報酬を取って、「優れた経営者がそれなりの報酬を得ることは当然だ」と豪語していたゴーン氏も、報酬をごまかすところまで行っては、支持者もいなくなるだろうし、尊敬もされまい。

 実は、ゴーン氏が超高給を取るようになるまでの日本の会社は、社長の給与と新入社員の給与の差が、世界でも最も小さい「平等社会」だと言われてきた。それが、ゴーン氏の超高給をみて「われもわれも」と高給取りが続出、あっというまに「格差社会」になってしまったのだ。

 そこで政府は、2010年度から上場企業で1億円以上の報酬を得ている経営者を決算報告書に記載するよう定めたが、それでも勢いは止まらず、1億円以上の高給取りは2018年3月期で4103人に達したという。

 一方、社員の給与のほうはそれほど上がらず、そのうえ給与の低い非正規採用社員が増えて、いまや「超格差社会」である。

 日本の経営者も、いたずらにゴーン氏のあとを追うのではなく、この際、かつての「平等社会」に戻すよう努力してはどうか。

大阪万博決まる、「いのち輝く未来社会」の展示とは

 2025年の大阪万博の開催が決まった。東京オリンピックとペアーの開催で55年ぶり。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」だ。その一つにヒロシマ・ナガサキの「原爆展」はどうだろうか。世界中から核兵器をなくさないと「いのち輝く未来社会」は生まれないわけだから、そして核兵器が使われたらどうなるか、それを示せるのは唯一の被爆国日本しかないのだから……。

 1970年の大阪万博の最大の呼びものは、アポロ11号が持ち帰った「月の石」だった。70年は科学技術が輝いていた時代だ。2025年は科学技術が地球環境を破壊する恐れを心配する時代だ。月の石と原爆展、案外、時代に合っているのかもしれない。

 それに海外から訪れる旅行客に、広島、長崎に立ち寄ってもらう手間を省く狙いもある。

 大阪万博の跡地をカジノにするだけではどうしようもない。もう少し有意義なものにするためでもある。大阪万博の責任者になる経団連の会長に、じっくり考えてもらいたいものである。


伊豆大島・三原山の大噴火から32年

 伊豆大島の三原山が大噴火した1986年11月21日から32年が経った。私が朝日新聞東京本社の社会部長になって3年が過ぎたあの日の夕方、「三原山が大噴火した。噴煙が上空800メートルにも達している」と大騒ぎとなった。

 私は大学で地球物理学を学び、火山や地震には特別の関心がある。その私が社会部長になるのを待っていたかのように、三原山の3年前には伊豆三宅島の雄山が大噴火し、住民が島外に避難する騒ぎがあり、それに続く三原山の大噴火である。

 朝日新聞社では直ちにヘリコプターを出し、羽田から現地に飛んだ。座席に余裕があるということで、そのヘリに私も乗せてもらった。三原山の上空に達すると、夕闇の中、真っ赤に焼けた火山弾が噴火口から次々と飛び出してくる光景の「美しいことといったら」…。それに真っ赤な溶岩が山腹をゆったりと滑り降りる姿も上空から見える。

 これはあとでパイロットから聞いたことだが、その火山弾の一つが朝日のヘリをかすめて落下していったそうだ。現に、毎日新聞社のヘリは、火山弾が機体の一部にあたり、不時着したというのである。

 朝日のヘリに火山弾がまともにぶつかっていたら、私のその後の人生はなかったのだと思うと、幸運に身の震える思いがした。

 そのとき伊豆大島には約1万人の住民が暮らしていた。溶岩が人家のある海岸べりまで達したら大変だと、全住民の島外への避難が決定された。定期船の東海汽船をはじめ、船という船が動員され、住民を東京まで運んだ。

 島には発電所の2人と助役の計3人が残っただけだったという。そして、1か月後、噴火も収まって全島民が帰島した。あの日の思い出は、忘れ難い。

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