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- 2012年03月16日 10:01
日銀とアップルに見る市場との対話
中央銀行にとって市場との対話はたいへん重要である。しかし、2012年2月14日の日銀の政策変更は、これまで築きあげてきた市場とのコミュニケーションに変化が生じるとの見方がある。
FRB、ECB、BOEそして日銀などはこれまで市場との対話を重視し、金融政策の変更を事前に織り込ませるように施策をとってきた。事前の会合での言葉尻で次回の会合での政策変更を示唆したり、講演や会見の内容などから事前に示唆したり、マスコミが事前に報じたりするなどいろいろな織り込み方法がとられてきた。
2月14日の日銀による実質的なインフレ目標導入という市場関係者にとっては大変大きな政策変更については、マスコミのみならず市場関係者も事前予測はほとんど出ていなかった。これはむしろ極めて異例でもあったと言える。ただし、FRBの1月25日の政策変更や政治家からの発言などから判断し、インフレ目標に近いような施策をとるであろうとの可能性を指摘する見方は一部にあり、私もそれは感じていた次第である。
しかし、2月14日に日銀は一部の期待を上回り、実質的なインフレ目標を導入しただけでなく追加緩和まで行ってきたのである。これはまさにサプライズとなり、その後の円安・株高に拍車を掛ける要因となった。
結果から言えば、今回の日銀のサプライズ政策は効果があったと言えよう。市場は白川総裁のコメントに以前より重きを置くようになり、その影響力が強まったとの見方もできる。これは市場への影響度という側面からみれば、むしろうまく対話を行ったとも言えまいか。
はるか昔、公定歩合というものがあり、その上げ下げについては嘘を言っても良いという決まりみたいなものがあった。つまりこれは市場の対話を一切無視しても良いというものであったろうが、裏返せばサプライズ効果を意識したものでもあった。
ここからは私の持論となるが、中央銀行の金融政策において引き締めの際には、市場との対話を重視し、それを事前に織り込ませることが必要であるが、緩和の際には市場への影響力を強めるため、むしろサプライズ効果を意識しても良いのではないかと思う。
アップルが新製品を発表する際には米国だけでなく、世界中の注目が集まる。そして、事前に新商品に対していろいろと憶測が流れる。アップルの守秘義務は徹底しているが、それでも新製品の機能等については事前にリークされてしまうものもあるし、当日、明らかにされるものもある。それでもアップルは市場の注目度を高めるため、いろいろな手を打っている。今回の新型iPadもその性能はほぼ事前に予測されていた通りのものではあったが、肝心のネーミングについては事前に言われていたものではなかった。それはそれで大きな話題ともなり、世間の関心を高め、売り上げ向上に結びつくことにもなる。
日銀も2月14日の決定については、全員一致であることからも明らかなように、事前にそれなりの根回しも進められていたとみられる。しかし、その動きが漏れるようなことはなかった。まるでアップル社の守秘義務が日銀にも徹底されていたかのようである。それが結局、サプライズ効果を演出することになった。そして、それは量的緩和や包括緩和の発表などに比べても、市場に良い意味で大きな影響力を与えることになった。
このため、今後の日銀の金融政策決定会合への注目度がより高まることともなろう。実際に3月13日の決定会合の日には結果発表前に市場でかなりの動きが生じたぐらいである。これは乱高下を招くとの見方になるかもしれないが、日銀の政策そのものへの注目度が上がったとの見方もできよう。
今後の日銀の追加緩和についても、今回のように事前に何らかの示唆があったりするようなことはないのかもしれない。それはそれで、日銀ウォッチャーは違う角度から政策変更の動きを探る必要性が出てこよう。アップルの新製品についても、少なくともアップルの役員に直接聞いても答えは得られないため、新製品ウォッチャーがいろいろなところから探っているように、日銀ウォッチャーも、いろいろな角度から今後の政策変更内容を探る必要が出てくるのかもしれない。
FRB、ECB、BOEそして日銀などはこれまで市場との対話を重視し、金融政策の変更を事前に織り込ませるように施策をとってきた。事前の会合での言葉尻で次回の会合での政策変更を示唆したり、講演や会見の内容などから事前に示唆したり、マスコミが事前に報じたりするなどいろいろな織り込み方法がとられてきた。
2月14日の日銀による実質的なインフレ目標導入という市場関係者にとっては大変大きな政策変更については、マスコミのみならず市場関係者も事前予測はほとんど出ていなかった。これはむしろ極めて異例でもあったと言える。ただし、FRBの1月25日の政策変更や政治家からの発言などから判断し、インフレ目標に近いような施策をとるであろうとの可能性を指摘する見方は一部にあり、私もそれは感じていた次第である。
しかし、2月14日に日銀は一部の期待を上回り、実質的なインフレ目標を導入しただけでなく追加緩和まで行ってきたのである。これはまさにサプライズとなり、その後の円安・株高に拍車を掛ける要因となった。
結果から言えば、今回の日銀のサプライズ政策は効果があったと言えよう。市場は白川総裁のコメントに以前より重きを置くようになり、その影響力が強まったとの見方もできる。これは市場への影響度という側面からみれば、むしろうまく対話を行ったとも言えまいか。
はるか昔、公定歩合というものがあり、その上げ下げについては嘘を言っても良いという決まりみたいなものがあった。つまりこれは市場の対話を一切無視しても良いというものであったろうが、裏返せばサプライズ効果を意識したものでもあった。
ここからは私の持論となるが、中央銀行の金融政策において引き締めの際には、市場との対話を重視し、それを事前に織り込ませることが必要であるが、緩和の際には市場への影響力を強めるため、むしろサプライズ効果を意識しても良いのではないかと思う。
アップルが新製品を発表する際には米国だけでなく、世界中の注目が集まる。そして、事前に新商品に対していろいろと憶測が流れる。アップルの守秘義務は徹底しているが、それでも新製品の機能等については事前にリークされてしまうものもあるし、当日、明らかにされるものもある。それでもアップルは市場の注目度を高めるため、いろいろな手を打っている。今回の新型iPadもその性能はほぼ事前に予測されていた通りのものではあったが、肝心のネーミングについては事前に言われていたものではなかった。それはそれで大きな話題ともなり、世間の関心を高め、売り上げ向上に結びつくことにもなる。
日銀も2月14日の決定については、全員一致であることからも明らかなように、事前にそれなりの根回しも進められていたとみられる。しかし、その動きが漏れるようなことはなかった。まるでアップル社の守秘義務が日銀にも徹底されていたかのようである。それが結局、サプライズ効果を演出することになった。そして、それは量的緩和や包括緩和の発表などに比べても、市場に良い意味で大きな影響力を与えることになった。
このため、今後の日銀の金融政策決定会合への注目度がより高まることともなろう。実際に3月13日の決定会合の日には結果発表前に市場でかなりの動きが生じたぐらいである。これは乱高下を招くとの見方になるかもしれないが、日銀の政策そのものへの注目度が上がったとの見方もできよう。
今後の日銀の追加緩和についても、今回のように事前に何らかの示唆があったりするようなことはないのかもしれない。それはそれで、日銀ウォッチャーは違う角度から政策変更の動きを探る必要性が出てこよう。アップルの新製品についても、少なくともアップルの役員に直接聞いても答えは得られないため、新製品ウォッチャーがいろいろなところから探っているように、日銀ウォッチャーも、いろいろな角度から今後の政策変更内容を探る必要が出てくるのかもしれない。



