
[モスクワ/キエフ 25日 ロイター] - ロシアは25日、同国に編入したウクライナ南部クリミア半島の沖でウクライナの艦船3隻を砲撃後、拿捕(だほ)した。砲撃により負傷者も出ており、両国間の新たな危機の火種となる可能性がある。
現地メディアによると、ロシア連邦保安局(FSB)は26日未明、国境巡視船が黒海でウクライナ海軍の艦船を拿捕したことと、停止させるため武器を使用したことを明らかにした。艦船が領海に不法侵入し、停止を求めた警告を無視して危険な航行を続けたため、行動を余儀なくされたとしている。
FSBによると、負傷者が3人出たが、治療を受けており、命に別状はないという。
ウクライナは艦船に非はないとし、ロシアが不当な軍事攻撃を行ったと非難、国際社会に対しロシアへの制裁に向け結束を呼び掛けた。
欧州連合(EU)は声明を発表し、事態の悪化を防ぐため、双方に自制を求めた。
北大西洋条約機構(NATO)の報道官も、同様に双方に自制を呼び掛けた。
外交筋が明らかにしたところによると、国連安全保障理事会はロシアとウクライナの要請を受けて会合を開く。
ウクライナのポロシェンコ大統領は軍トップや安全保障担当の幹部と状況を協議し、議会に戒厳令の布告を提案する考えを示した。
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