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11/25放送 MBS林先生が驚く初耳学が酷い

職業柄、医療情報番組を暇に任せて見ることが多いが、25日の初耳学の内容は酷かった。
「風邪のひき初めに葛根湯を飲んでも、風邪は治らない」と題し、2014年の京都大学の論文を根拠に葛根湯、意味ないじゃ~ん、とゲスト芸能人に叫ばせる、という趣向だが、テレビの前でちょっと待て待て、と思った人も多いのではないか。

風邪のウィルス本体をやっつけるわけではないから、風邪は治らない、という論理だが、どう見てもおかしいでしょ。風邪の症状が抑えられれば、早く日常生活に復帰でき、免疫でそのあとはカバーできるのでOKでいいではないか。

それで、肝心の論文だが、風邪の症状を抑えなかった、と言っているわけではなくて、重症化抑制に効果を認めなかった、正確に言うと22.6%の被験者に重症化抑制効果がなかった、という結論なので、これをどうとるかは判断が難しい。

実際、論文の執筆者は結論で「両群の感冒症状が、それぞれの試験薬(葛根湯と総合感冒薬)により同等に抑制された可能性もある。」と言及している。

そもそもこの論文、穴だらけ。これ1本で葛根湯2000年以上の歴史が証明した効果を否定するには力不足も甚だしい。

穴1 プラセボと比較していない。(葛根湯と総合感冒薬の比較)
穴2 アウトプットが被験者の主観的な日記形式による。
穴3 被験者はポスターやウェブで集められており、漢方診断で必須の「証」が見られていない。
穴4 葛根湯の服薬量が標準より少ない。

穴1,3,4は論文の結論で執筆者が言及しているので、この論文執筆者もまさかテレビ番組でセンセーショナルなネタとして使われるとは思わなかっただろう。

ゲスト医師が風邪薬なんか飲まずに、家で水分、栄養とって身体あっためて安静にしておけばいいのよ、と答えていたが、葛根湯の主要な作用の一つが「身体をあっためること」なんですけどぉ、とテレビの前で突っ込んだ人は多いはず。

こうした番組を見るたびに、制作関係者は論文の概要も読まずに作ってるのだろうか、と疑ってしまう。(概要なら5分で読める)
医師にしても見方は様々なので、せめて違う立場のセカンドオピニオンくらいは聞いたほうが良いのではないか。

こういう吟味の足りない不十分な情報を電波で乗せられると、困るのは現場の医療関係者で、明日から「葛根湯、効かないのに、なんで出すんですか!」とか言われちゃうのですよ。
「テレビでやってた」というのは結構な権威なもので。
張りぼてですけど。

インパクト狙いもやりすぎると深手を負う、ってテレビ局はいつになったら学ぶのだろうか。

件の論文←ここからPDFが見れる。

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