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フォトレタッチャーによる、Adobe Photoshop Touch レビュー

iPad2版のAdobe Photoshop touch がリリースされました。

今までもPhotoshop Expressというアプリがあったのですが、それは簡易版も簡易版と言った内容でしたが、今回は本格派です。
今回は、フォトレタッチャーとしての目で見た、このアプリケーションの感想を述べます。
(私のプロフィールは「御園生大地 作品サイト」まで、お願いいたします。)

まずは、ポイントとなる概要情報を書きます。

iPad2用。初代iPadでの使用不可。
日本のiTunes storeで購入可能。ただし、英語バージョンのみ(←普及を考えるとここがネックですね)。
扱えるファイルは、1600px x 1600px まで。
iPadアプリとしてはコマンドが豊富。トーンカーブやドロップシャドウ、選択範囲のぼかし、レイヤーを「比較・明」で演算する、ワープ変形など、ちょっとモバイルデバイス用とは思えないような機能も搭載。
レイヤーを残してイメージを保存可能。

操作方法などの解説は、他にも情報が出てくると思うので、「仕事でどこまで使えるか?」といった観点から感想を書きます。
申し訳ありませんが、いつもに比べると、「わかりやすく」よりは「専門用語を使って感想を率直に」書きます。わかりにくい箇所に関する質問にはお答えしますので、コメント欄か作品サイトからよろしくお願い致します。

◯まずは、Photoshopを使用する際に最もタフな用途。「商業印刷用途でのレタッチに使えるか?」です。
先に結論を言うと、商業印刷用途での使用に耐える合成、色調整には向かないと思います。
まず、ごく小さい写真しか加工できない。長辺1600pxまでの画像ということで、商業印刷(350dpi)での使用は長辺11cm強まで。商業印刷用でしたら、最低でも、長辺4000pxの画像はレタッチしたいところです。
色調整に関しても、不安が残ります。一番問題なのは、レベル補正でヒストグラムは表示されるものの、画像のどこが飛んでいてどこが潰れているか、といった表示が出ないこと。カラー情報を数値で管理することもできません。画面のキャリブレーションがとれないことも、印刷原稿作成用としては不向きだと感じます。
まあ、ここまで言うのは酷だと思いますが。

◯次に、仕事で使用する本番画像のレタッチとして、「Web用画像のレタッチには使えるか?
サイズ的には、1600pxあれば、Web用途としては十分です。
階調や色に関しても、印刷原稿ほどトビ、ツブレにシビアになる必要が無いので、
「使い方に慣れれば、使えなくもないかもしれない。」
と、思います。機能はそれなりに豊富で、うるさいことを言わなければそこそこ合成も色調整もできます。
ただ、ちょっとまだ抵抗感があるのは事実です。
自分的には、「Web用で使えるかどうかは、もう少し使い倒してみるまで結論保留」としています。
ただしそれは、「レタッチャーとしていい加減な画像を納品できない」という観点からで、一般ユースのWeb用画像なら、行けるんじゃないか?と思っています。

◯最後に、「では、プロが使う余地があるとすればどんな場面か?
現在私が思い描いている場面はふたつあります。

1.クライアントとの打ち合わせや雑談の中で、急に絵作りの話に…。そんな時、webから引っ張ってきた画像などをざっくり合成してイメージの共有をはかる。

2.撮影した画像をその場で軽く合成してみせる。

この2つだと思います。そりゃあノートPCを使えばもっと作業がしやすいのは当然です。が、ノートPCを抱えての撮影では機動力が落ちるので、あえて持参しないことも結構あります。iPadでこういった場面をこなせれば、利便性が向上することは間違いありません。また、1みたいな場面では、常にPC持っているとは限らないですよね。

結論としては、
「プロとして納品画像を仕上げるのには、まだまだ不安を感じるものの、カンプ的な用途には十分な機能を備えており、どんどん使っていきたい」
といったところだと思います。
「iPadでノマドレタッチャー」の夢は無理そうですが(笑)、これからのバージョンアップへの期待も込めて、なるべく実戦で使っていきたいと思っています!

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