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  • 祇園

Fedストレステスト結果概要〜シティなどは「不合格」

3月13日にFedは米国主要銀行に対するストレステストの結果を公表した。16日に発表予定であったが、一部リークなどにより公表が前倒しされた。ストレステストに関する内容全文はこちら(Comprehensive Capital Analysis and Review 2012: Methodology and Results for Stress Scenario Projections)を参照。


■目的

The Federal Reserve expects large, complex bank holding companies to hold sufficient capital in order to maintain access to funding, to continue to serve as credit intermediaries, to meet their obligations to creditors and counterparties, and to continue operations, even under adverse economic conditions. The Comprehensive Capital Analysis and Review (CCAR) is a supervisory assessment by the Federal Reserve of the capital planning processes and capital adequacy of these large, complex bank
holding companies (BHCs). The CCAR is the Federal Reserve’s central mechanism for developing supervisory assessments of capital adequacy at these firms.

Fedでは、大きくてかつ複雑な持ち株会社は、経済状況が悪化しても、資金調達や信用仲介の提供を維持し、債権者とカウンターパーティに対する義務を満たし、かつオペレーション業務を続けるための、十分な資本を有していると予測している。包括的な資本分析とレビュー(The Comprehensive Capital Analysis and Review(CCAR))は、巨大かつ複雑な銀行持ち株会社(BHCs)の資本計画プロセスと、自己資本についてFedから監督的な評価を受けている。CCARはこれらの企業の自己資本の充実に対する監督的な評価を進展させるためのメカニズムである。


Nineteen BHCs were required to participate in this year’s CCAR (CCAR 2012). In early January, these BHCs submitted comprehensive capital plans to the Federal Reserve, describing their strategies for managing their capital over a nine‐quarter planning horizon. The purpose of requiring BHCs to develop and maintain these capital plans is to ensure that the institutions have robust, forward‐looking capital planning processes that account for their unique risks and that the institutions have sufficient capital to continue operations throughout times of economic and financial market stress. As part of its assessment of the plans, the Federal Reserve projected losses, revenues, expenses, and capital ratios for each of the 19 BHCs under a severely adverse macroeconomic scenario specified by the Federal Reserve. This paper describes this scenario, provides an overview of the analytical framework and empirical methods used by the Federal Reserve to generate these stress scenario projections, and presents the results.

19のBHCは、今年のCCARに参加することが求められている。1月初旬に、これらのBHCはFedに対して包括的な資本計画を提出し、今後9四半期に渡って資本を管理することについての戦略を述べた。BHCに対して資本計画の進展や維持を要求する目的は、金融機関が堅牢であること、固有のリスクを説明したフォワードルッキングな資本計画プロセスや、経済や金融市場のストレスを通じて金融機関がオペレーションを行うのに十分な資本を確保していることである。計画への評価の一環として、Fedによって指定された厳しく悪化したマクロ経済的なシナリオの下で、19のBHCの損失、収入、支出、そして自己資本比率の予測を行った。

■シナリオ

以下のような厳しく悪化したマクロ経済的なシナリオで実施された。


・2012年末に実質GDPが鋭角的に落ち込むこと

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・2013年半ばに失業率が13%のピークに達すること

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・2012年の後半を通じて米国株式が50%下落すること

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・住宅価格が2013年末に20%以上下落すること


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・欧州やアジアといった海外の実質GDPも収縮すること


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このようなシナリオの下、Fedは19のBHCに対して、自己資本・貸倒、損失がどうなるかを算出した。


・自己資本

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・貸倒

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・損失

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この結果、このようなシナリオの下、シティ、アライ・フィナンシャル、サントラストの3行が必要要件とされる普通株Tier1比率5%を割り込んだ。またメットライフも最低基準となる8%を割り込んだ。以下は各銀行の上記シナリオの下での普通株Tire1比率。


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また、上記シナリオにおける損失の要因としては、第1順位モーゲージが62億ドル、トレーディング及びカウンターパーティ損失が1160億ドル、クレジットカードが920億ドル、商工ローンが670億ドル、証券の損失が310億ドルなどと推計された。以下は上記シナリオ時における損失の要因である。


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そしてローンの貸倒率ではキャピタル・ワンやシティ、アメックスが大きいと推計された。以下は各行の貸倒率。


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このことから、所謂ストレステストを「パス」したJPモルガンについては配当と自社株が認可されたと伝わっている。ウェルズ・ファーゴやUSバンコープについても増配が認可された。


2009年に実施されたストレステストは、2009年の米国GDPが3.3%のマイナス成長、失業率が8.9%、住宅価格指数が20%超下落となったというシナリオであり、2011年実施の時は2011年の実質GDPは1.5%減、失業率は11%、住宅価格は6.2%下落、株価は27.8%のシナリオだった。2009年の場合、各金融機関は想定されたマクロ経済シナリオの下で「有形普通株自己資本比率」の4%を維持していなければならず、そしてそれを満たせなかった金融機関は増資となったが、今回のマクロ経済シナリオにおいて5%を満たせなかったシティグループなど各行は資本計画修正案をFedに提出するものとみられている。従って、当該3行については、そのようなシナリオに陥った場合、事業を継続していく(すなわちTire1の5%維持)ための資本計画を立案せよ、ということだろうと思われる。


2009年の時と比較すると、2009年のストレステストの場合、当時の失業率の想定である8.9%は甘いのではないか(既に9%を超えピークは10%となっていた)との指摘が多かったが、今回のマクロ経済の想定シナリオは失業率が13%であり、株価は半値、住宅価格もここから20%超下落と、かなり厳格なシナリオの下での安全性に対するテストということであり、米国の大規模な金融機関の資本については健全性をアピールした格好となっている。一方で米銀はリセッション以降、米国債の保有を拡大していることから、インフレの場合(例えば長期金利が急騰した時)のストレステストも必要かと思われる。


参考:厭債外債 「米銀のストレス・テスト(2)」

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