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委員長職権で入管法改正案が実質審議入りに「立法府は瀕死になった」と山尾・野党筆頭理事


野党が提出した葉梨・衆院法務委員長(自民)の解任決議案が20日の衆院本会議で否決されたことを受け、本会議散会後に衆院法務委員会の理事懇談会を開催。21日の同委員会で外国人労働者受け入れ拡大に向けた出入国管理法(入管法)改正案の実質審議入りと、定例日でない22日の参考人質疑を委員長の職権で決めました(写真上は、取材に応じる山尾議員ら)。

同委理事懇談会後、立憲、国民、無所属、共産の野党4党の衆院法務委員会の理事は国会内で揃って記者団の取材に応じました。

野党は、失踪した技能実習生から2017年に聞き取った2,870人分の個別の調査結果(個票)の公表を求めていますが、与党側は「引き続き検討する」としたまま応じていません。失踪した技能実習生2,870人分の個票は19日の法務委理事懇談会で公開されましたが、閲覧が許されたのは法務委の理事のみ。

撮影やコピーは許されず、野党理事らは手書きで写しましたが、書き写した20人のうち17人が最低賃金割れを示す書類だったにもかかわらず、失踪動機を尋ねる選択肢で「最低賃金以下」にチェックしてあるのはゼロであるなど、入国管理局は受け入れ側の不正を把握しながらそれを見逃していた実態が明らかになっています。

野党筆頭理事の山尾志桜里議員は、理事懇で委員長の職権により、(1)21日の入管法改正案の趣旨説明と質疑を予定されていた一般質疑をやらずに9時から17時まで行うこと、(2)定例日以外の22日には外から参考人を呼ばなければならないにもかかわらず法務大臣の日程がたまたま取れないからという理由でわずか2日前に参考人質疑を行うことが決められた――と報告。

こうした事態に「立法府は瀕死になったと思っている。偽のデータで空っぽの法案を作り上げ、国会の審議すら空っぽの状態で、法案の成立ありき、お尻(質疑終局の日程)ありきで突き進んでくる。私たちは瀕死の立法府のなかで、それでも、場合によっては質問等を通じて国民の皆さんに本当にこの国の根幹にかかわる問題が、大変な状況で成立に向かって突き進んでいることをいかに伝えることができるかを検討したい」と述べました。

国民民主党の階議員は、「新聞各紙の世論調査を見ても、この入管法改正について『今国会成立にこだわるべきではない』という回答が圧倒的に多い。

この新しい受け入れ制度の土台になっている技能実習制度が、昨日、今日と私たちは失踪者のデータを調べてきたが、件数が多いのでまだ一部ではあるが、政府は『最低賃金以下』であることを理由に失踪した人は0.8%に過ぎないと言っているが、客観的に『最低賃金以下』であるかどうかは聴取票の別の欄にある労働時間と月給の数字から簡単に割り出せる。

われわれが手書きで調べたものを集計したところ、『最低賃金以下』の方は7割を超えている。アトランダムに抽出してこうした数字であり、今の制度を土台にして新しい制度を作ることはありえないということがあらためて明らかになった」と断じました。

無所属の会の黒岩議員は、定例日以外での審議で、しかも参考人質疑については後日協議すると言ったまま何ら提案のないままいきなり22日にやると決められ、与党筆頭理事の平沢議員からは「準備しているのが当たり前」だと言われたと反発。

聴取票をめぐってはこれまで安倍総理も法務大臣も「失踪者が刑事訴追される恐れがある」ことを理由に公表を拒んできたが、「事業者が最低賃金法違反で刑事訴追の恐れがあり、不法行為があったら当然告発義務があるにもかかわらずそれをしてこなかったことで入管当局も刑事訴訟の恐れがある。まるっきり逆の刑事訴追のおそれがあるから聴取票を出せなかったのだと疑わざるを得ない状況だ」と指摘しました。

共産党の藤野議員は、「個票が示しているものは今の法案審議の大前提」だと述べ、最賃法の話以外にも、(失踪動機の理由として)「暴力を受けた」というチェックがないものでも『体力的にきつい』などといった同じような回答があると指摘。「個票を見ないと分からない。もともと国会で与党も含めて付帯決議で求めたものであり、出さない理由はない。プライバシーには配慮して取り扱えばいい。出して当然のものだ」などと強調しました。

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