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「役人が天下りしてガッポガッポ」田中康夫氏、森永卓郎氏が政府の入管法改正案を厳しく批判


 今国会の最大の争点、外国人労働者の受け入れを拡大する入管法改正案の審議をめぐって16日、技能実習生の失踪に関する調査に誤りがあったことが明らかになった。これに対し立憲民主党の山尾志桜里議員は「法案の審議の根幹部分がひっくり返った」と批判。野党側が委員長の解任決議案を提出したため、法務委員会での実質審議入りは見送られた。これにより、臨時国会は来月10日までの会期延長が避けられない情勢となった。

 政府が検討している新たな在留資格は、熟練度に応じて「特定技能1号」と「特定技能2」号に分けられている。1号は「一定の技能」を有する者で、家族の帯同は認められず、在留期限も最長5年だ。介護、建設、農業、外食など14業種が対象で、5年間で最大約35万人を受け入れる見通しとなっている。


 また、2号は「熟練した技能」を有する者で、家族の帯同が認められ、更新制で永住も可能になる。技能実習生としての経験が3年以上あれば無試験で特定技能1号への移行もでき、新資格の50~60%を占める見通しだ。ただ、建設と造船に業種は限定され、受け入れ数も推計しないとしている。家族の帯同や永住も可能であることから"移民につながる"という与野党からの批判に配慮したのだろうか。

■田中康夫氏「統一地方選、参院選狙いだ」

 17日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演した元長野県知事の田中康夫氏は「特定技能1号の場合は独身か、家族がいる場合は国に置いてこいという。5年間、誰が寄り添ってあげるのか。しかもその後は帰れって。これこそ人権侵害だ。母国とは違う国で1年以上労働している人が移民だと国連でも定めているのに、国会で質問が出ると"国連の定義と私たちは定義が違う"と。"国柄を守る"とか、"日本を取り戻す"といっていた人たちの政治が、国柄を変える話をしている。

 何でこんなに焦っているのかなと考えると、来年の4月には統一地方選挙があって、次には参院選がある。中小企業が人手不足だから、その人たちが理解してくれるという思惑だ」と指摘した上で次のように批判した。


 「日本には完全失業者が164万人いる。これは仕事をしたくて努力をしているが見つからない人。今の40歳前後は失われた20年、30年の就職氷河期世代で、そういう人たちが500万人いる。そういう人たちに職業訓練をしないで、目先の労働力が足りないというのは違う。

 経済財政諮問会議の資料では、"移民を毎年20万人入れた場合、人口1億1000万人を維持できる""移民を受け入れて出生率を回復すれば"などとしているが、そもそも維持する必要があるのか。日清戦争・日露戦争の頃の人口は4800万人あったし、人口が8000万人に減ってもドイツと同じだ」。



■森永卓郎氏「役人が財団に天下りしてガッポガッポ」

 経済アナリストの森永卓郎氏は、田中氏の発言を受け「家も広くなって、通勤地獄も改善されて、生活はよくなるかもしれない(笑)。田中さんがおっしゃったように、目先の人手不足という利権に乗っかった経済産業省と、これで莫大な利権が生まれる法務省の共犯だと思っている。何十万人という外国人を受け入れるために新たに財団を作り、そこに役人が天下りしてガッポガッポとなる」と指摘。


 さらに「拙速に入れると、結果としてバイトや高齢層の賃金が下がる。あまり知られていないが、日本の最低賃金は先進国の中でも最低水準で、韓国よりも低い。それが2割、3割と下がるということをやろうとしている。結局は安い労働力を外国から買ってきたいというのが本音。技能実習生は人権侵害の問題だけでなく、実態調査で半数が月給10万円に届いていないことがわかっている。最低賃金を考えれば、相当なピンハネが行われていると思うまずその違法状態を解消することから取り組まないといけない」と訴えた。

■フィフィ「もう少し心の準備を積み重ねてからの方がいい」

 タレントのフィフィは「待遇の底上げができていない劣悪な環境にただ外国人を穴埋めで入れれば、絶対にひずみが出てくる。大学を出ていて、日本語も英語もできるような優秀な人材を何十万人も確保できるのだろうか。ASEAN諸国の経済が発展している中、そこまで日本を魅力的だと思ってやってくるだろうか」と指摘。

 「ヨーロッパでは参政権の問題なども出ている。単純労働だけではもったいないくらいのスキルや語学力、共生していくコミュニケーション能力のあるような人は職場の中でも実権を握り、政治でも実権を握っていくのではないかと。移民の方がハングリー精神があって、よく働く人が来る。そうなると、必ずしも移民の人たちが治安を乱すわけではないのに、あぶれた労働者が不満のはけ口を外国人に向けてしまうということが欧米では起きている。日本でも、たしかに私が名古屋に来た40年前よりも偏見のない子たちが育ってきているのは期待できる。だからもう少し心の準備を積み重ねて、慣れてから入れた方がいい」との考えを示した。


 議論を受け、筑波大学准教授の明石純一氏は「制度設計がまだあまりきちんと説明されていないというのが私の認識だ。移民の受け入れはしないと言っているが、その移民というのが誰を示すのかということも微妙な問題だ。日本に外国人は260万人くらいいるが、そのうち75万人くらいが永住の資格を持っていて、1年に3万人ずつ増えている。彼らは事実上の移民と言っていいだろう。

 一方、技能実習生や特定技能の方たちが永住資格を取るためにどれくらい高いハードルを課すのか。ここが移民受け入れかどうかのポイントになると思う。そこがまだ国会では説明されていない」と話していた。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)


▶次回『みのもんたのよるバズ!』は24日(土)夜8時から生放送

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