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アングル:英EU離脱、国民投票やり直しへの道筋


[ロンドン 16日 ロイター] - メイ英首相が欧州連合(EU)と合意した離脱協定の素案が国内で激しい反発を浴びたことで、離脱の是非を問う英国民投票やり直しの可能性が関心を集めるようになった。

2016年6月23日の国民投票では、離脱支持が52%、残留支持が48%だった。以来、離脱反対派は国民投票再実施の可能性を探り続けてきた。

メイ首相は再実施を繰り返し否定し、野党労働党のコービン党首も否定的な見解を示している。

考え得る再実施のシナリオを以下にまとめた。

(1)議会がメイ首相案を否決

離脱反対派によると、国民投票再実施への第1歩はメイ首相の離脱協定案が議会で否決されることだ。

与党保守党内の造反議員の多さと、閣外協力している北アイルランドの民主統一党の怒りを考えると、労働党から多数の支持が得られたとしても可決は難しそうだ。

国民投票再実施を掲げる団体「人民の投票」の副会長、ヒューゴ・ディクソン氏は「否決は合意なき離脱への突進を意味しない。国民投票が実施され、EU残留の選択肢が示される可能性が非常に高いということだ」と話す。

(2)英国の政治危機

メイ首相案が否決されれば、英国政治の混迷は深まるだろう。

ジョン・メージャー、トニー・ブレア、ゴードン・ブラウンという首相経験者3人は、国民投票の再実施が危機解決への道だと述べている。

ブレア氏は先月ロイターに「ブレグジット(英国のEU離脱)を止めるのは可能だと、今でも信じている」と語った。

保守党同様、離脱を巡り分裂している労働党は、メイ首相案が否決されれば総選挙を模索する可能性を示唆した。しかし総選挙実施には下院議員650人の3分の2の賛成が必要だ。

もう1つの道筋は、政府への不信任動議が可決されることだ。可決から新政権への信任投票まで14日間の猶予期間が設けられているが、信任されない場合には約17営業日以内に総選挙を行う必要がある。

離脱派は、労働党が総選挙実施に失敗するとみている。

(3)議会が主導

総選挙、首相交代、EUとの再交渉といった試みが次々と失敗し、数週間にわたる危機を経て、議会はようやく国民投票の再実施を要求することになる。

正確な手続きははっきりしないが、議会は時局を打開するため、再実施を求める動議を採決する可能性がある。その後、実施を定めた法案を可決する必要がある。

(4)EUに猶予期間を要請

EU離脱は2019年3月29日に予定されているが、国民投票の実施には何カ月も要するため、EUに猶予期間を要請する必要が出てくる。

この場合の焦点は、離脱手続きを定めたEU基本条約第50条の発動を英国が撤回できるかどうかだ。

第50条が使われたのは初めてなので、撤回の可否について法律家の見解は分かれている。ただ、50条を起草した英外交官ジョン・カー氏は「さいは投げられたが、不可逆ではない」と述べて撤回は可能だと主張している。

EUの最高裁に当たる欧州司法裁判所は27日、英国のEU離脱手続きについて審理し、同国が一方的に離脱決定を撤回できるかどうかを検証する。

(5)新たな国民投票の結果は

はっきりしない。

離脱派の多くは、国民投票を再実施すれば英国は史上最悪の憲政上の危機に陥り、大混乱の引き金を引く可能性さえあると訴えている。

世論調査や学術調査によると、国民の意見は2分したままだが、2万人を対象とした今月の調査によると、国民投票では残留派が勝利しそうだ。

しかし再投票でも離脱派が勝利すれば、英国は離脱しなければならないことが確定する。

(6)投票用紙の質問項目をどうするか

もちろん、はっきりしない。

運輸担当閣外相を今月辞任したジョー・ジョンソン氏は、兄の強硬離脱派ボリス・ジョンソン前外相とは正反対の残留支持派だ。そのジョー・ジョンソン氏は(1)メイ首相の離脱案に則って離脱する(2)EUとの合意なしで離脱する(3)現行のEU加盟規則に従い続ける(残留する)──という3つの選択肢を示すべきだと述べている。

しかし離脱派は、離脱についてだけ2つの選択肢を示すと、離脱票が割れて不利だと主張している。

(7)EUは歓迎か

世界第5位の経済大国である英国が戻ってくるとなれば、大半のEU指導者は間違いなく歓迎するだろう。

トゥスクEU大統領はこのほど、EUはブレグジット撤回の用意ができていると述べた。マクロン仏大統領は、英国の気が変わる可能性はまだあると示唆した。

(8)国民投票反対の主張

国民投票再実施に反対する人々は、国民が今度は残留を選んだとしても、問題は何ひとつ解決しないと言う。

離脱派は第3回投票を求めるだけだろう。独立独歩で行くか、それともEUと手を携えるかという問題は、英国が大英帝国の座を失って以来、この国を悩ませ続けてきた問いだ。

(Guy Faulconbridge記者)

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