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日銀の金融政策修正に向けて具体的に想定される事態

 日銀の物価目標は達成しておらず、現状では出口政策は封じ込まれている状況ながら、いずれ出口政策に向きを変えざるを得ないと思われる。2%という物価目標の達成はさておき、何かしらの外部環境等の変化によって出口政策を進めることになるのではないかと予想されるが、いまのところその予兆もない。それでも出口政策に向けた準備をする必要はある。具体的に想定される事態を考えてみたい。

 現状の異次元緩和の修正の手始めとして、マイナス金利政策の解除が必要となる。金融政策上のマイナス金利は準備預金の一部に掛かっているものであり、この部分のマイナス金利解消による影響は限定的というか、金融機関はむしろ歓迎しよう。これによって短期金利だけでなく、中期ゾーンあたりまでの国債利回りのマイナス化も解消される。債券市場でみれば、通常の状態に戻るだけではあるものの、実質利上げのような動きとなることで、スムーズに国債の利回りがプラスに転じられるのか。このあたりは市場参加者の意向次第の面もある。

 貸出金利等でのマイナス化はなかったことで、これによる借り入れ依存度の高い企業への影響も限定的とみられる。物価への影響も限定的であろう。市場への織り込み方次第ではあるが、最近の日銀の動きに対する反応などをみても、外為市場などへの影響はそれほど大きくはないとみられる。

 次に長期金利コントロール解除も必要となる。長期金利はかなり抑え込まれていたことで、ある程度の跳ね上がりは避けられない。ただし、日本国債や円の信認が低下するというわけではなく、物価や景気動向に応じた長期金利の形成が意識されることで、市場は落ち着きどころを模索するような動きとなるのではなかろうか。

 そうはいっても債券市場の動きが長らく封じられていたような状況となっていたことで、通常の状態に戻すには時間も掛かるし、ある程度の変動も避けられない。債券先物などには仕掛け的な動きも入りやすくなり、ボラティリティをどのように抑えるのかも課題となりそうである。国債入札などが順調に実施されていけば、ある程度の金利上昇は金融機関にとっては好材料となり、金融機関による日本国債保有の復活も期待されることから、それほどのパニックに陥ることはないかもしれない。

 長期金利上昇によるドル円などへの影響をみても、そもそも米長期金利は数度の利上げもあり、3%台に上昇しており、多少なり日米の長期金利差が縮小しようとも、これによって急激な円高圧力が掛かることも想定しづらい。

 これらによっていわゆるゼロ金利政策が復活することになり、異常な緩和策からの脱却が達成される。長期金利もいわゆる自由化が復活し、市場機能の回復が見込める。借り入れ依存度の高い企業などへの影響も危惧されるものの、そもそも4割の企業が実質無借金企業となっており、その多くが優良企業とされており、金利の変動による企業業績への影響も以前に比べると低下しているとみられる。

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