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どうなる北方領土交渉

安倍首相は、14日のプーチン・ロシア大統領との会談で、1956年の日ソ共同宣言を基礎にした北方領土交渉を提案し、プーチン氏と合意した、と報じられています。

安倍首相は、歯舞群島と色丹島の2島先行返還も選択肢とする交渉に踏み出すことになり、これは首相の「賭け」だ、とする見方もあります。これだと、国後、択捉の両島の帰属問題が置き去りにされかねません。その背景には、9月のロシアでの経済フォーラムで「前提条件なしに年内の平和条約締結」を提案し、決断を促すプーチン氏のメッセージと首相の焦りがあった、とされています。

自民党総裁に3選を果たした安倍首相は、「実現させたいのは憲法改正と日ソ平和条約だ」と残り任期3年の目標を政権幹部に伝えているそうです。党則を変えて長い任期にある安部首相は、レガシーとなる歴史に残る偉業をなしとげたいということで、日ソ平和条約に前のめりになっているように見えます。

プーチン氏の9月の発言に、日本では驚きが広がりましたが、安倍首相は、「発言は条約締結へ決意を示したものだ」として、完全なトップダウンで決断をした、とのこと。日本が主張してきた北方四島の帰属問題を解決してから条約を結ぶという順序を変えるのなら、納得のいく説明をしてもらいたいと思います。

アメリカの基地を置かないことも約束したそうですが、日米関係と日ソ関係、そしてクリミアへの侵攻で悪化している国際社会との関係などを、冷静に判断する必要があるのではないでしょうか。「2島先行返還」ではなく「2島変換で終結」ということにならないのか危惧されます。歯舞、色丹は、四島の7%にすぎない、とニュースで伝えていました。

プーチン氏にとっては、クリミア併合後、欧米から経済制裁を科されていて、安倍首相と再三会談をしていることは、先進国をけん制し、外交的孤立を回避する絶交の機会だったという指摘もあります。そうした欧米諸国から見て、平和条約を急ぐ日本は、どのようにみられているのか、2国間の問題だけではないことも踏まえて、慎重に対応してもらいたいものです。

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