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日本が韓国を捨てる日 富士ゼロックス撤退は終わりの始まりか

募集工判決について、韓国外交部が正式にコメントを発表しました。

「韓国外交部「日本指導者に対する遺憾の立場、複数のルートで伝達中」」2018年11月16日

魯圭悳(ノ・ギュドク)外交部報道官は15日の定例会見で「韓国政府は11月7日、国務首相の立場発表を通じて司法府の判断に政府が介入しないことが民主主義の主軸であり、日本政府指導者がこの問題を外交的な紛争に追い込もうとしていることに対して遺憾を表明し、賢明な対処を促した」

韓国外交部は15日午後、外交部ホームページに「強制徴用大法院判決に関する韓国政府の立場」というバナーを韓国語文と英文で掲載した。

https://japanese.joins.com/article/176/247176.html?servcode=A00&sectcode=A10&cloc=jp|main|inside_left

なぜか韓国語と英文での発表です。日本語はどうしたんでしょうか? 誰に対する発表文のつもりなんでしょうね?

そして、この「募集工問題」で初めて公式に「Victims of Forced Labor」という言葉を使用しました。国際的に違法な「強制労働」ということを言い出した格好です。

この発表によって、韓国政府は「何もしない」という立場を明らかにしました。むしろ韓国政府の対応を求めること自体に、「遺憾を発表した」という形です。日本側から見ると、英語訳の内容も含めて、韓国が日本との全面対決に移った様にしか見えません。

ただ、文大統領の言葉がないため、直接何を考えているのかが見えてこないのも事実です。

「文大統領「真実直視を」=「未来志向に逆行」と河野氏」2018年11月18日

韓国の文在寅大統領は18日、ソウル市内で開かれた韓日・日韓協力委員会合同総会に書面メッセージを寄せた。この中で、「植民地時代は両国にとってつらい過去だ。しかし、つらいからといって真実から目を背けるわけにはいかない」と述べ、「持続可能で堅固な韓日関係のためにも、われわれは真実を直視しなければならない」と強調した。

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12145-126787/

ようやく出てきた言葉も、「過去を直視しろ」という漠然としたメッセージです。具体的にどうするかは、日本側が考えることと思ってるってことなんでしょうか?

■日本企業の韓国切りは始まったばかり

「富士ゼロックス、韓国工場を閉鎖 来年3月末に」

富士ゼロックスは日本国内外で1万人の職員を構造調整する政策を推進中だ。その一環として、韓国職員のうち大部分を解雇するものと予想される。職員180人に協力会社の職員まで合わせると、350人余りが仁川工場閉鎖の被害を受けるものとみられる。

富士ゼロックスコリアの労働組合は仁川工場閉鎖に反対する立場を示した。報道によると、労働組合は「絶対反対要請文」で「今年はじめ、労使間の自主的な組織スリム化を通した構造調整で、次段階では『構造調整はない』という確約を得ていたのに、今のような事態が発生して会社を信じることはできない」という立場を明らかにした。

https://japanese.joins.com/article/172/247172.html?servcode=300&sectcode=300

ついに来たか、という感じであります。以前「ついに徴用工最高裁判決がやってくる 解決には日本の毅然とした反撃が必要」で、「記者会見が必要」と書きましたが、よく考えたら日本はそういう国ではありませんでした。淡々と撤退するだけなんですね。

で、切られる労働者は反対しています。まぁ、当然ですね。でも韓国側の状況変化があったのです。企業としては、その状況変化に対応しなければなりません。

また、日本大使館が行った、在韓日本企業を対象とする説明会で、「正当な経済活動の保護が優先的」という姿勢を明らかにしたそうです。この「正当な経済活動」と言う言葉が意味深ですね。もしこのまま韓国政府が動かず、強制執行などの処置が行われたら、「正当な経済活動ができないため日本企業の保護を行う」とかって話になりそうです。

■たとえ和解しても結果は出ない

「徴用工訴訟、韓国は米国等にある日本企業の資産にも注目か」

「かつて工作機械メーカーの不二越が韓国の元女子挺身隊員から未払い賃金と賠償を求めて提訴され、和解して2000万円を支払った経緯がある。当時、不二越は韓国企業に工作機械や産業用ロボットを販売しており、ビジネス上、和解を選んだという見方がありました。

不二越は和解後にも次々と新たな訴訟を起こされている。日本側が一歩退けば、それを突破口にして雪崩を打って攻め込んでくるのが戦時賠償訴訟の“法廷戦術”だ。そこに妥協点を探るという“大人の解決法”は存在しない。

https://www.news-postseven.com/archives/20181117_801550.html

一度和解すると、それを理由に別の訴訟を起こされ、どんどん訴訟が増えるという事例が既にあるのです。日韓基本条約で「完全な解決」を書かねばならなかったのも当然で、こういう収拾のつかない事態を回避するための手段でした。

募集工判決は、まさにパンドラの箱を開けたと言えるでしょう。

■また英語表記で負けそうな日本

「慰安婦財団 解散へ 韓国政府、日本に伝達」(2018/11/17)

韓国政府は16日までに、従軍慰安婦問題に関する2015年の日韓合意に基づき韓国政府が設置した「和解・癒やし財団」を解散する方針を決めた。韓国側によると、日本政府にも伝達した。日本側は合意の履行をかねて求めている。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO37883270W8A111C1MM8000/

いやぁいろんなものが一気に動いてきましたね。2018年は後々、教科書に載るんじゃないでしょうか。

韓国政府は「慰安婦合意」と「募集工判決」のどちらも「破棄しない」と断言していますが、有名無実化している段階で、日本には意味がありません。

韓国の対応を待っているだけなら、事態は改善しませんよ。なにしろ既に「Forced Labor」(強制労働)という言葉を使用して、世論戦に入っているのですから。これはかつて「慰安婦問題 自信を見せる韓国 英語表記で負ける日本」で指摘したように、「従軍慰安婦」を「sex slave」と呼称されて欧米での世論戦に敗北したのと、同じ形なのです。このことを外務省は認識しているのでしょうか?

日本政府は「徴用工」から「朝鮮半島出身労働者」に表記を変えました。これは外務省の英語版で、どのように書かれているのでしょう?

Former Workers from the Korean Peninsula(朝鮮半島出身労働者)

https://www.mofa.go.jp/press/kaiken/kaiken4e_000572.html

そのまんまですね。これを言い出したのが誰かは知りませんが、実にセンスがない表現です。韓国は「Forced Labor」と世界に知られた言葉を使い、日本は「Former Workers from the Korean Peninsula」を使うわけです。海外の報道や政治家が、どっちを使うでしょうか?

まずそもそも「戦時」という言葉が入ってないのがマイナスです。おそらく本当の意味での「徴用工」では無い人もいるから、「戦時」は入れない方が正しいと考えたのでしょう。しかし、キャッチコピーに求められるのはそこまでの正確性ではありません。求められているのは、韓国に「Forced Labor」を使わせないための対抗手段なのです。

もともと第一次大戦や第二次大戦で「総動員令」を掛けた国は、ヨーロッパを中心にゴロゴロあるのです。特殊な時期に行われた特殊な事例なわけで、「戦時」を強調しないと「Forced Labor」(強制労働)作戦に対抗できません。

私ならこう書きます。「Wartime applicant」(戦時応募者)。後ろの単語はもっと良いものがあるかもしれません。とにかく「Wartime」が大事なんです。「Wartime」が。そして単語は2個と簡潔です。外務省には頭の良い人がたくさんいるでしょうに、なぜこんなことがわからないんでしょうか?

外務省が、「従軍慰安婦問題」と同じ轍を踏まないよう願ってやみません。

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