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失踪実習生調査で誤り 入管法審議見送り

多くの課題が指摘されている、外国人労働者の受け入れを拡大する入管難民法などの改正に絡んで、法務省は昨日16日、失踪した技能実習生の調査結果に誤りがあったとして、訂正結果を与野党に示しました。

 外国人労働者の受け入れの拡大については、50~60%は技能実習生からの移行ということですので、その根幹にもかかわる調査結果の誤りは、審議の前提が崩れているとして、野党が反発しています。

衆院法務委員会の葉梨委員長が職権で昨日午後の改正案の実質審議入りを決めていましたが、立憲民主党が委員長解任決議案を提出したため、審議は見送りになりました。誤りというのは、法務省が今の国会で、失踪して入管法違反容疑で摘発された実習生約2900人を多少に昨年実施した調査結果を示していた内容です。

「低賃金」による失踪が約67%でしたが、7日の参院予算委で山下法相は修正前の誤ったデータを根拠に「より高い賃金を求めた失踪が約87%」と答弁していました。質問項目についても「低賃金」とされていて、それが67.2%だったのに、質問項目にない「より高い賃金を求めて」が86.9%としていました。

また、「指導が厳しい」についても5.4%というのは誤りで、12.6%だった、ということです。なぜこのような誤りが生じたのか、改ざんではないのか、などの疑問がわきます。

技能実習生からの移行については、再三指摘しているように、劣悪な労働環境など多くの課題があり、そのままにして移行することは問題が大きすぎると思います。技能実習生の失踪は、今年1~10月で、130人(暫定値)に上り、過去最多だった2017年1年間の138人を上回る可能性があることも、昨日16日、東京入国管理局のまとめでわかりました。

低賃金や長時間労働などの問題が後を絶たず、失踪者数の増加につながっている、とみられています。専門家は、「実習先の企業側が「実習生を安く使えればいい」という意識を持っている以上、失踪は減らない」として、実習生失踪の問題を放置したまま、受け入れ拡大の議論が進むことを問題視している、と報じられています。私がNHK解説委員として労働問題の解説をしていた20年以上前から「労働力」ではなく「人」が入ってくるので、その受け入れ態勢と環境整備をと指摘してきましたが、改善されていないのだと思います。

現行の制度の問題点を残したまま、新しい外国人労働者の半数かそれ以上が働くという新しい在留資格を作ることは問題で、慎重が議論が求められます。

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