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安倍首相/「二島のみ返還」に方針転換!・・・国民の見識と覚悟が問われる

 今回の日露合意は、明らかに安倍首相の方針転換です。

 合意を受けて、これは「二島先行返還(=最終的には四島返還)」なのか、あるいは「二島のみ返還」への転換なのか、早速、日本では議論がかまびすしいですが、その余地はなく、この合意は国民に「二島のみ返還」の覚悟を迫るものです。しかも、早速、プーチン大統領がクギを刺したように、それさえ「今後の交渉次第」ということでしょう。

 なぜか。今回の合意では、「(二島引渡しを明記した)日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速」とされ、過去の「四島帰属問題」の解決を明記した「東京宣言」にも「イルクーツク声明」にも触れていないからです。それが何よりの証左でしょう。

 「外交」とはそういうものです。過去、「営々として積み重ねてきたもの」にあえて触れない首脳合意の意味するものとは、そういうことです。埃を被っていた古文書(1956年)だけに触れ、あえて「基礎」とした意味とはそういうことです。

 プーチン大統領にしても、二島を返し、平和条約まで結びながら、あとの二島の返還の余地を残す合意などできるわけがありません。これで「すべて決着」という成果を得られない限り、二島返還もしないという覚悟の表れでしょう。

 事をさかのぼれば、転換点は16年末の「山口長門会談」でした。その直前の谷内発言(返還後の米軍基地の可能性に言及)でした。ここでの首脳同士サシの会談で、プーチン大統領は「領土は血を流してとるもの。シンゾー、その覚悟があなたにあるのか!」とすごんだと言います。安倍首相は何も言えず、その結果が「北方領土」にまったく言及しない、「共同声明」とはほど遠い、単なる「プレス向け声明」だったのです。

 そして、この9月の「前提条件なしで平和条約を締結しよう」というプーチン大統領の不規則発言。いよいよ追い詰められた安倍首相が切ったのが「二島のみ返還」というカードだったのです。

 ただ、安倍首相も、口が裂けても表向き、このことは認めないでしょう。管官房長官も引き続き「四島の帰属問題を解決して平和条約」との基本方針は変わらないと会見しました。そう言うしかないという政府の立場ではありますが、こうした、相変わらずの「説明責任なき方針転換」を受け入れるのかどうか、今、国民の見識、覚悟が問われています。

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