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日本の宇宙ビジネスは活性化するか

今日、「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律」が施行されました。従来、日本ではJAXA(宇宙航空研究開発機構)と、その業務移管を受けた三菱重工業しか、人工衛星を載せたロケットの打ち上げは認められていなかった。

今後は、基準を満たせば、民間事業者も国から許可を得て人工衛星の打ち上げができるようになるわけです。

近年、世界の宇宙ビジネスは一気に活気づきました。イーロン・マスク氏の「スペースX」、アマゾンのジェフ・ベゾス氏率いる「ブルー・オリジン」をはじめ、英ヴァージン・グループの「ヴァージン・ギャランティック」、米ホテル王ロバート・ビゲロー氏の「ビゲロ・エアロスペース」など、いわば異業種からの宇宙ビジネス参入が相次いでいます。

また、宇宙の民主化の背景の一つには、コンピュータをはじめとする機器の小型化が進み、人工衛星を小さく、低コストでつくれるようになり、打ち上げコストも下がったことがあります。したがって、ベンチャー企業の宇宙ビジネスへの参入が可能になりました。

さらに、一社が多数の衛星を打ち上げ、協調させて運用する「衛星コンステレーション」と呼ばれる運用形態が増えつつあります。小型衛星を数十から数百機という単位で軌道上に配置し、それらの衛星データを、通信事業や高頻度な地球観測サービス、測位などに活用するものです。

近年、年間に打ち上げられる衛星の数は、世界で100機を軽くこえます。宇宙に大きなビジネスチャンスが広がっているいま、規制緩和は海外企業に後れをとらないためにも重要です。

政府が昨年公表した「宇宙産業ビジョン2030」によれば、国内の宇宙産業の市場規模については、2030年代早期に、現在の1.2兆円から倍増することを目標にしています。実際、国内でも宇宙事業、なかんずく宇宙ベンチャーは、盛り上がりを見せているんですよね。

一例が、シンガポールに本社を構えるアストロスケールです。

岡田光信さんが創業した宇宙ベンチャー企業で、スペースデブリ、いわゆる宇宙ゴミの除去をサービスとして事業化しようとしています。先月、産業革新機構から新設分割して発足したINCJなどから約56億円を調達し、資金調達の総額は約115億円に達します。墨田区に研究開発拠点を構え、宇宙ゴミ除去用の衛星を、ここで製造しています。

じつは、先だって同社COO(最高執行責任者)のクリス・ブラッカビーさんにお会いする機会がありました。NASA(米航空宇宙局)を辞めて、2017年からアストロスケールに参加しています。「毎日、世界中から、参加したいという若者たちの履歴書が送られてくる」と話していました。

アストロスケールと提携する、神奈川県茅ケ崎市の中小企業、由紀精密社長の大坪正人さんにもお会いする機会がありました。

同社は、1961年に創業し、電子機器部品のシャフトなどの切削加工を手掛ける会社でしたが、いまや、ロケットや衛星の部品をたくさん手掛けています。“リアル下町ロケット”と呼ばれているんです。

大坪さんは、「宇宙ゴミの掃除など環境問題、食料問題などの社会問題を、モノづくりの力によって解決したい」と、大きなビジョンを語っていました。

宇宙ビジネスの話を聞いていると、夢があるなぁと思いますよね。かつて、ソニーの製品は「夢」があるといわれましたが、いまや「夢」があるのは断然、宇宙ですよね。それから、宇宙ビジネスを手掛ける若者たちには、社会課題の解決など、壮大なビジョンがあります。

日本の宇宙ビジネスが、将来の日本を支える、大きな産業に育つ可能性を感じますね。

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