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徴用工判決、新日鐵住金が払えば最大2兆円超の賠償請求も

新日鐵住金の対応も注目される(時事通信フォト)

韓国政府が作成した徴用工訴訟「299社」リスト

 韓国人元徴用工4人が新日鐵住金を相手に損害賠償を求めていた裁判で、1人あたり1億ウォン(約1000万円)の支払いを命じる判決が確定した問題。どんなに韓国の司法が理不尽だとしても、“被告”となった企業は何らかの対応を取らざるを得ない。賠償金支払いを命じられた新日鐵住金では、宮本勝弘副社長が決算会見(11月2日)でこう語っている。

「判決は日韓両国間の請求権問題が『完全かつ最終的に解決された』ことを確認した日韓請求権協定や日本政府の見解に反しており、きわめて遺憾です。(今後は)日本政府の対応を踏まえて対応する」

 しかし、いかに理不尽であろうと、判決が確定した以上、日本企業は無視を決めこむことはできない。

 原告側弁護士は判決前、日本企業への賠償命令が確定しても支払いに応じない場合、「ただちに資産差し押さえ請求の手続きを取る」と語っていた。申し立てが行なわれれば韓国大法院は新日鐵住金が韓国内に持つ売掛債権などを差し押さえる強制執行を認めると見るべきだ。

 新日鐵住金の賠償金は約4000万円(4人分)だ。同社からすれば“痛くはない金額”とも思えるが、賠償金を支払うリスクはそれ以上に大きい。

 韓国政府が認定した徴用工の人数は約22万6000人。大法院の判決後、政府機関や支援団体に「訴訟を起こしたい」という問い合わせが殺到しているという。新日鐵住金が賠償に応じて「1人1000万円」の支払いが“判例”になると、新たに22万6000人分の訴訟が起きて日本企業全体で2兆2600億円の賠償が突きつけられる可能性がある。しかも「53年前、あるいは日本統治時代まで遡って遅延損害金を求める」という無茶苦茶な主張まで飛び出している。

 差し押さえされた場合も影響は深刻である。産経新聞は、

〈新日鐵住金は連結売上高の約3%を韓国向けが占めるが、韓国国内には製鉄所などの目立った資産を保有していない。このため差し押さえが実行されたとしても、経営への影響は少ないとみられる〉(10月31日付)

 と報じているが、前述のように訴訟が拡大して賠償金額が膨らみ、韓国の取引先などへの売掛金がどんどん差し押さえられると、取引にも大きな影響が出かねない。

※週刊ポスト2018年11月23日号

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