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新MacとiPad Proから読む「iPhone減産時代」のアップル

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アップルは10月30日(現地時間)、ニューヨークで記者発表会を開き、MacとiPadの新製品を発表した。

発表会場は、米ニューヨークのThe Brooklyn Academy of Music

今回の発表では、iPad発売以来最大のリニューアルといっていいほどの変化を遂げた「iPad Pro」に加え、「MacBook Air」「Mac mini」といった、人気はあるが最近新モデルが出ていなかった製品の改訂が行われた。

特にMacのリニューアルについては、ファンの多くが驚いた。長年待ち望みながら、アップルが応えてはこなかったラインアップだからだ。どのくらい驚きだったかというと、「おかしい! 私たちが思う通りのものが出てくるなんで、アップルらしくない!」という皮肉な声が聞こえてくるくらいである。

「iPad Pro」。iPad発売以来、最大といっていいほどの大幅なリニューアルを遂げた

「MacBook Air」。ほぼ7年ぶりのデザイン刷新であり、2010年代末のノートPCらしい製品になった

小型デスクトップの「Mac mini」も刷新。CPU変更も含め、実に4年ぶりの新モデルになる

それでは、アップルは現在どのようなハードウエア戦略を持っているのだろうか? 新製品群から考察してみたい。

ようやく期待に応えた「Macのリニューアル」

今回の発表のポイントは、簡単にいえばふたつに絞れる。ひとつは「iPadのてこ入れ」であり、もうひとつは「Macの再評価」である。特に、同社の戦略を語る上での大きな変化は後者にあたる。

正直、ニュースバリューという意味では、iPad Proの方がずっと大きいだろう。そして、今後のアップルの売り上げに対する貢献度も、新iPad Proの登場による「iPadの変化」がもたらすものの方が大きい。だが、「アップルが今後どういう会社になろうとしているのか」を考える上では、MacBook AirとMac miniの復活は、分析しがいのある要素だ。

冒頭で述べたように、MacBook AirとMac miniは、長らくリニューアルされてこなかった製品群である。MacBook Airは、CPUなどの刷新こそ2年おきに行われていたが、デザイン的には2011年からそのまま。Mac miniに至っては、2011年にデザインが変わり、2014年にCPUが刷新されて以降、実に4年も新製品がなかった。どちらも、設計は古いが価格が安く、手に取りやすい製品として扱われてきた。

今回も壇上で多くの発表を行ったアップルのティム・クックCEO

特にMacBook Airについて、アップルは2015年以降、明確に「旧モデルを安価に売る」路線と位置づけてきた。メインストリームは、新たに設計し直した「MacBook」と「MacBook Pro」だとしていたのだ。

だが、この路線は成功とは言い難かった。MacBookは、Airのヒット要因である「13.3インチという、世界的に見ると使いやすいサイズ」「高性能なわけでも、劇的に軽いわけでもないが手頃な価格」といった要素を満たせていなかったからだ。

ではなぜAirをアップルが刷新してこなかったのか? その謎は解けないままなのだが、少なくともアップルは、MacBookではAirの人気を引き継げていない、と認めたことになる。ニューヨークでの発表会で実機を短時間だがチェックすることができた。実際よくできた製品で、ヒットする可能性は高い。

長らくリニューアルしてこなかった人気の2製品が合わせて刷新された

Mac miniに至っては、後継機すらなかった。PCのメインストリームがノート型になり、デスクトップも一体型が主流になった昨今、分離型のデスクトップの需要は減っていた。だがなくなったわけではない。特に小型のデスクトップは、PCのことがよくわかっているマニアや、業務で多数のPC(Mac)を必要とする人に根強い需要がある。

アップルはこれまで、MacBook AirにしてもMac miniにしても、消費者の需要を満たしきる製品を出してこなかった。そこにリソースを注入するよりは、iPhoneやMacBook Proに使った方が経営上有利だ、と思っていた可能性は高い。

だが今年、その方針は大きく変わった。Macに関する需要のアンマッチを解消し、ファンが求める「手堅い」Macを発売することで、売り上げを安定させる戦略を採ったのだろう。

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