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インタビュー:米長期金利、中長期的に2.5%へ低下=PGIM債券運用責任者


[東京 12日 ロイター] - 金融サービスの世界的大手プルデンシャル・フィナンシャル<PRU.N>傘下のPGIMフィクスト・インカムのマイケル・リラード最高投資責任者(CIO)はロイターとのインタビューで、米長期金利は中長期的に2.5%へ低下するとの見通しを示した。米利上げは再来年まで継続するが、2020年末には景気後退リスクが高まるほか、人口動態からみても金利水準は下がっていくとした。

同社は、米プルデンシャル・フィナンシャル・グループの資産運用会社の債券運用部門(本拠地はニュージャージー州ニューアーク)で、3月末の運用資産残高は7160億ドル(約82兆円)に上る。

リラード氏の来日インタビュー(7日実施)の概要は以下の通り。

──米連邦準備理事会(FRB)の金融政策について。

「FRBは金融政策の正常化の仕上げに向けて、引き締め路線を継続するとみている。12月の利上げに加え、経済が今のような堅調さを保つ限りにおいては、来年に3─4回の利上げを実施し、さらに再来年も2─3回の利上げを行う可能性があると考える。ドット・プロット(FOMC参加者の金利予測分布図)は、2019年の間に徐々に上方修正されていくだろう」

「そうなると、フェデラル・ファンド(FF)金利は、2020年末には4%近辺になるだろう。われわれは、これが高過ぎるのではないかとの懸念を持っている。というのは、その頃には米国では景気刺激策の効果が剥落してしまうからだ。それらを勘案した結果、2020年末にはリセッション(景気後退)のリスクが高まると考えている」

──先行きの米長期金利動向について。

「米国の金利は低過ぎるとよく言われるが、実は、われわれは決してそうは思っていない。(米長期金利が5%を上回っていた)1960年代後半─2000年代初頭までの期間をいったん無視してみてほしい。過去150年間という米国金利の歴史的推移をみてみれば、現在の金利水準は決して低くはないのだ」

「むしろ、その期間(1960年代後半─2000年代初頭)こそが例外だったと考えている。1960年代、70年代は(米)ベビーブーマー世代と女性が労働市場に続々と参入するという、人口動態上の特殊要因が経済成長と金利を押し上げていた」

「しかし現在、状況は全く逆だ。世界の人口は高齢化している。米国、日本、欧州のみならず、中国やインドでもだ。ゆえに、金利は今後も低い水準での推移を続けるだろう。われわれは、米10年債利回り<US10YT=RR>は中長期的に2.5%に向けて低下するとみている」

──米国ではちょうど中間選挙が実施されたばかりだ。

「今回の中間選挙については、われわれが前提とする2つのテーマを当面変えることはないと考える。すなわち、景気刺激および財政拡張路線と、貿易問題に対するトランプ政権の強硬なスタンス、これら2つは選挙結果のいかんにかかわらず継続すると確信している」

「ただし、株式市場が高値から20%以上調整するようなリスクオフ局面が生じた場合には、トランプ政権かFRBのスタンスに変化があるだろう。10月の株安局面は、そのような規模には全く当たらない」

──最新の投資判断について。

「(米)長期金利が3.25%とかいう足元の水準(12日現在は約3.2%)において、われわれは(債券全般について)売り手ではなく買い手だと言える」

「債券の中では、高格付けの証券化商品、特にトリプルA格のローン担保証券(CLO)への選好度を最も高めている。最優先トランシェであるトリプルA格CLOのスプレッドは、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)<USD3MFSR=>プラス120ベーシス(bp)と魅力的な水準にあり、ディフェンシブに次の投資機会をうかがいたい投資家にとって最適なアセットだと考えている。この先どこかで大規模なリスクオフや危機が訪れる局面では、トリプルA格CLOはその格付け通り、安全資産としての役割を果たしてくれるだろう」

「一方で、CLOメザニン債など、支払い優先順位の劣る低格付けのトランシェについては非常に慎重にみている」

(1 Japanese yen = $0.0088)

(インタビュアー:植竹知子 編集:伊賀大記)

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