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大量懲戒請求の取り扱いについて 弁護士会の対応から改めて説明しておく

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余命3年ブログに煽られた人たちが弁護士らに対して懲戒請求を行った件ですが、懲戒事由となるのかどうかについて誤解もあるようなので、改めて整理しておきたいと思います。

 今回、大量懲戒請求には、2種類のものがあります。

 1つは、弁護士会会員全員(厳密に全員かどうかまでは私はわかりません、多数に対してという意味です)に対して行った懲戒請求であり、内容としては弁護士会が出した特定の意見書(声明)に賛成したというものです。

 もう1つは、個別に「反日」認定をした弁護士らに対する懲戒請求です。

 大量懲戒請求問題は、大きくわけてこの2つがあることを押さえてください。

 最初のものについては、多くの弁護士会において「不受理扱い」をしています。
 「懲戒請求」という題目で弁護士会宛に送られてきたものですが、弁護士会に対する意見として扱うというものです。従って、懲戒請求としては受理しない扱いをしたものです。
 札幌弁護士会でも同様に処理しています。

当会会員多数に対する大量の「懲戒請求」についての会長談話

 何故、このように処理したのか、実質的な理由は次のとおりです。

 懲戒請求があった場合、弁護士会は綱紀委員会において、懲戒委員会に審査を求めるのが相当か否かを判断します。

 それは綱紀委員会の決定によって判断が示されますが、その示された結果は懲戒請求者にも文書で送付されます。

 ところで、この大量懲戒請求に対して、すべて懲戒請求として受理した場合、綱紀委員会で懲戒相当か否かの決定を行うことになりますが、その決定についてすべて郵送で送られることになります。

 当時、綱紀委員会規程では、配達証明付書留郵便によって行うと規程されていました。

 札幌弁護士会会員が800人としますと、配達証明付書留郵便は1通あたり822円がかかります。

 これだけで65万7600円が掛かります。それ以外にも封筒代やら人件費やらも掛かります。

 配達証明付書留郵便にするのは、重要な書類だということもそうなのですが、送達日を起算日として翌日から60日以内に日弁連に対して不服申立ができることになっていることから、配達日を確定する必要があるからです。

 手数料はすべて弁護士会負担で対応しています。この大量懲戒請求案件が起きたとき、手数料を懲戒請求者に予納させたらどうかという意見もありましたが、日弁連執行部は懲戒請求そのもののハードルを上げることになるため、そのような方針は採らないという説明が日弁連理事会でありました。実質的にも事務手数が膨大になるため、大単位会を中心に実質的にも手数料の予納制は無理という判断がありました。

 こうした事情もあり、単なる弁護士会に対する意見として処理することで膨大な事務費用の支出はしないという判断になったものです。弁護士会から通知は送られていません。

 さて、もう1つの方の大量懲戒請求案件は、一応、懲戒請求の体を成しています。単なる意見というのとは違います。

 なので、意見表明として不受理にするということは弁護士会としてはしませんでした。本音は「不受理にしたい」くらいのものではあったとしてもです。

 受理すれば綱紀委員会の決定を懲戒請求者に対して配達証明付書留郵便で送ることになります。私もそうですが、1000人近くからの懲戒請求があるので、1人1人に決定を送るということになると、822円×1000人ですから、82万2000円が必要です。封筒代、人件費などを考えたら100万円のコストとなります。

 札幌弁護士会でも複数の弁護士が大量懲戒請求を受けていましたから、重なっている請求者にはまとめて送付するということも可能かもしれませんが(このあたりの事務処理については私は承知していません。)、そのような節約をしても100万円が掛かります。

 そこで、弁護士会として何をしたのかというと、まず規程の改正です。

 「配達証明付書留郵便」から「特定記録郵便」に変更しました。その決定の後にこの大量懲戒請求案件の懲戒請求者に対し、綱紀委員会の懲戒不相当の決定書を送付しています。

 特定記録郵便にした場合には、242円×1000人ですから、24万2000円となり、58万円の「節約」です。とはいえ、24万2000円が掛かっています。
 普通郵便(82円)にしたらいいのではという意見もあるかもしれませんが(そういった疑問は出されています)、前述したとおり、不服申立の期間の算定の基準になることから普通郵便にすることは難しいという判断があります。

 

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