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消費税には「軽減税率」よりも「累進課税」

■愚策としての「軽減税率制度」

 案の定と言うべきか、消費増税における「軽減税率制度」が槍玉に挙がっている。

 最も問題視されているのは、システムがややこしく複雑になり過ぎるため、無事に対応していけるのか?ということ。

 今回の消費税を10%に上げる場合のシステムでこれだけややこしく複雑なのであれば、今後、消費税率を変更する時にはどうするのか?という問題もある。未来永劫、10%のままなら、いずれ慣れてくるかもしれないが、今後、日本の経済状況によっては、消費税率を更に上げることも、下げることも考えられるわけで、その場合もまた、システムをいじくらなければいけないことになると、ますます複雑になり、訳が分からなくなってしまう危険性がある。

 そもそも、税制などというものは、シンプルであることが鉄則である。同じ商品に対して、購入方法等によって違う税率を適用するなどというような真似はできるだけ控えるべきである。

■「消費税に累進課税」という政策

 日本の所得税は累進課税制度になっている。それが良いか悪いかは別として、最高税率は45%(住民税を入れれば55%)になっている。ちなみに現在一律10%の住民税も昔は累進課税制度が適用されていた。

 現在は少しはましになったとはいえ、昔は所得税率が75%という時代もあったそうで、松下幸之助氏などは給料の大半を税金として召し上げられることに疑問を呈していたことも今や語り草になっている。

 私は基本的に不公平な累進課税制度には反対の立場だが、所得税を累進課税にするなら、消費税も累進課税にしなければ辻褄が合わないとも思う。

 消費税収というものは、高額な買い物をすればするほど増加するものなので、高い商品に高額の税率をかけて、安価な商品には低額の税率をかける方が理に適っているのではないかと思う。 ちょうど、株式の売買手数料のように、取引が高額になればなるほど手数料が高くなるというシステムだ。

 例えば、10万円以下の商品には一律5%、10万円以上の商品には一律10%、100万円以上の商品には一律15%という具合に税率を設けた方が税収も上がるのではないかと思う。

■「軽減税率制度」<「累進課税制度」

 以前のブログ記事でも指摘したことだが、消費税が上がって困るのは消費限度額が固定されている低所得層であり、それが原因で税収が下がることに繋がるわけだから、消費税率は生活必需品かそうでないかで分けるよりも、高額かどうかで分ける方が望ましい。

 消費税が2%上がったぐらいで、誰もが欲しい商品を買わなくなるというわけではない。問題は、商品を買うお金の限度額があるため、その限度額を超過した買い物はできなくなるということ、そこが消費増税の問題なのである。

 ゆえに、その限度額(消費リミッター)が無い高所得者が主に買うと思われる高額商品は多少、税率が上がっても消費量は減少しない。しかし、消費限度額を有する低所得者に対する税率を僅か2%でも上げてしまうと、その2%分だけでなく、ヘタをすると、それ以上に消費量が減少してしまう(=消費税収が落ち込んでしまう)。

 消費税に軽減税率制度を適用するぐらいなら、累進課税制度を適用した方が経済に与える悪影響は小さくて済むだろうし、税収も上がる可能性が高い。

 どちらも正しい政策とは言えないが、比較論として言えば、「軽減税率制度」よりも「累進課税制度」の方が正しい選択だと言える。シンプル・イズ・ベスト、それが税制の基本だからである。

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