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安倍異常政権の深層を衝く―3選されても嵐の中の船出となった安倍首相(その2)

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〔以下の論攷は、治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟が発行している『治安維持法と現代』2018年秋季号、に掲載されたものです。3回に分けて、アップさせていただきます。〕

2、「安倍一強」を生み出した背景と要因

制度改革の「成功」と「失敗」

 安倍政権の異常性はますます明瞭になり、日本が取り組んで解決すべき課題とのミスマッチは拡大し、民意との乖離も増大しています。それなのに国政選挙で勝利し続け、内閣支持率は上下しながらも急落することを免れています。それは何故でしょうか。
 そこには「安倍一強」を生み出した背景と要因があるからです。制度改革の「成功」と「失敗」、支配装置としての教育とマスコミ、社会や国民意識の変容と右傾化という3つの側面から、これについて検討してみることにしましょう。

 まず、歴史的に取り組まれてきた各種の「改革」によって生じた政治的な機能について指摘する必要があります。とりわけ、「一強」体制を生み出した要因として「政治改革」「行政改革」「構造改革」が重要です。

 第一の政治改革によって小選挙区制が導入され、自民党は選挙区で4割台の得票率で7割台の議席を占め、国会内で「一強」体制を確立しました。自民党内でも派閥が力を弱めて多元的な柔構造が失われ、候補者の擁立や資金の分配などに関する権限を執行部が握り、党の中央集権化がすすみます。

 2つ目の行政改革では、2001年の省庁の再編によって内閣府が登場し、官邸機能や首相権限が強められました。2014年には内閣人事局が発足し、官僚に対する官邸の支配力が格段に強化されています。

 3つ目は構造改革です。法形成のルールを緩めて国会を通さずに「政治主導」を貫くことをめざして経済財政諮問会議や規制改革会議、ワーキンググループなどが設置されました。加計学園問題では、国家戦略特区諮問会議によって岡山理科大学の獣医学部新設が認められています。このような仕組みこそ、政治や行政の私物化、忖度が蔓延する状況を生み出す制度的な背景にほかなりません。

 これ以外にも、安倍政権が取り組んで来た「改革」は「やってる感」を国民に与え、内閣支持率の安定に寄与してきました。しかし、実際には効果を上げていません。「安倍一強」を生み出したという点では「成功」したかもしれませんが、日本が直面している問題を解決して状況を改善するという点では完全に「失敗」に終わっています。

 詳述する余裕はありませんが、非正規労働者を増大させた「雇用改革」、教育と教科書の内容に介入し管理・統制を強めて現場を荒廃させてきた「教育改革」、予算を減らして研究能力を低下させてきた「大学改革」、弁護士の数を増やして処遇を低下させた「司法改革」、社会保障サービスを切り捨てて消費税を引き上げるための口実にすぎなかった「税と社会保障の一体改革」など、惨憺たるものです。これに、前述した「農業改革」を加えれば、死屍累々たる姿が浮かび上がります。まさに「改革」失敗のオンパレードではありませんか。

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