大分県統計協会が発行した「県民手帳」に印刷上のミスがあったという。
来年5月1日に天皇の生前退位と次期天皇の即位に伴う改元が行われるが、5月以降の年号も「平成」にしてしまったそうだ。(*1)
ちょっとしたおもしろニュースのような感じではあるが、そもそもこのようなことが起きた原因は政府の改元に対する無責任な態度にある。大分県統計協会は政府に損害賠償を求めるべきだろう。
そもそも、天皇陛下が生前退位の意向を表明なされたのは、平成28年8月8日のことだ。(*2)
このような、かなり早い時期に意向を表明なされたのは、国民生活への影響を考えてのことである。
にもかかわらず、あーたらこーたら言いたれて、新年号を未だに出し惜しみしているのが我らが日本国政府である。
実際、カレンダーを始めとする、様々なところで元号を用いる印刷業界や、元号を扱うコンピュータのシステム開発の現場は、早いうちからの元号の発表を要請していたが、発表のないまま、もう即位まで半年である。
もちろん、すでに来年の手帳やカレンダーは、5月以降の元号無きまま印刷を終えている。
肝心の新元号の公表は早くても次期天皇即位の一ヶ月前になるようだ。(*3)(*4)
そしてその一ヶ月前の根拠は「国民生活への影響を考慮」「税金や社会保障などの情報システム改修を混乱なく進めるには1カ月程度が必要」とのことであるが、この印刷ミスのような支障はすでに発生している。
もう、システム屋さんは2000年問題と同様の緊急シフトを前提に、平成31年4月の予定を組んでいることだろう。願わくば次の年号が3文字以上で無いことを祈るのみである。(せめて次の元号の文字数くらいは、すぐにでも公表してはどうだろうか?)
しかもそれすら確実な決定ではなく、未だに即位後の公表を求める勢力もいるらしい。
正直、1ヶ月程度、早かろうが遅かろうがどうでもいいので勝手にして欲しい。
たかだか1ヶ月で情報システム、しかも最新のOSならまだしも、未だに古いコンピュータやソフトウェアが動く行政システムの改修が済むと思っている方がどうかしているのだ。
そんなわけで、政府の新元号に対する対応は実に国民をバカにしている。
何れにせよ、すでに、天皇陛下の国民に対する配慮を、現政府が潰してしまったのである。実に呆れる他ない。