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トランプ現象は着実に進行していた

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 トランプ現象。昨今の社会情勢と民主制度の下では、差別発言などの暴論や嘘や中傷の限りを尽くしても、絶え間なくメディアに対して話題性を提供しつつ自らの正統性を声高に主張しポピュリズムに徹すれば、政治的には過半数を押さえることができる。

 期せずしてこの中間選挙では、トランプ現象が決して一過性のものではないことが証明された。

 中間選挙では結果的には上院で共和党が議席を伸ばしたものの、下院では民主党が過半数を奪還し、知事選挙でも民主党の躍進が目立ったことなどから、2年前にホワイトハウスと上下両院を共和党に奪われて完全に力を失っていた民主党が、一連のトランプ攻勢にようやく一矢を報いた形にはなっている。

 確かに選挙結果だけを見ると、僅かながら民主党が党勢を拡大しているし、女性や少数民族、性的マイノリティ候補の当選などもあり、アメリカの政治の潮流に変化の兆候が出てきたようにも見える。

 しかし、元々中間選挙は2年前の大統領選挙で躍進した与党側が大きく負けるのが、100年来のアメリカの伝統だ。過去50年の選挙結果を見ても、中間選挙で与党が議席を大きく失わなかったのは2001年の9・11直後のブッシュ政権下での2002年の中間選挙くらいのもので、クリントンやオバマにいたっては最初の中間選挙で50以上も下院の議席を失い、いずれも過半数割れに追い込まれている。

 本稿執筆の時点ではまだ下院の全議席が確定していないが、最終的な共和党から民主党への議席の移動は30議席前後にとどまるものとみられ、上院では共和党が過半数を維持したばかりか、むしろ議席を上積みする結果となった。今回の中間選挙は、とても「痛み分け」などと呼べるものではない、トランプとその支持者にとっては、上々の結果だったと受け止めるべきだろう。

 実際、選挙の大勢が判明した6日未明には、トランプ自身がツイッターで「今夜は大成功だった」と、事実上の勝利宣言をしている。その段階で既に下院の過半数割れが明らかになっていたにもかかわらずだ。

 この2年間、トランプ政権はまさにやりたい放題やってきた。自分は公約を果たしているだけだとトランプは言うが、そもそも2016年の大統領選挙では、まさかトランプが当選すると本気では考えていない人が多かったので、2年前にトランプに投票した有権者が「メキシコ国境沿いの壁」や「NAFTAからの離脱」や「移民排斥」などといった、かなり法外な選挙公約のすべてを真に受けているかどうかは、定かではないところが多分にあった。しかし、実際にトランプはその公約の多くを実行に移した。

 そうして迎えた今回の中間選挙は、2年前の選挙が単なるフロックだったかどうかの試金石という意味で、とても重要な意味を持っていた。

 そして、選挙結果は、トランプ支持は実際に根強いものがあり、2年後のトランプ再選の可能性にも十分な現実味があることを示していた。

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