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安倍異常政権の深層を衝く―3選されても嵐の中の船出となった安倍首相(その1)

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孤立し漂流を始めた外交

 経済がかげりをみせはじめただけでなく、もう一つの外交も漂流を始めています。朝鮮半島の非核化と平和構築に向けて米朝首脳会談が開催されましたが、「圧力一辺倒」の安倍首相は事態の急進展に対応できず、完全に孤立してしまいました。東アジアでの緊張緩和が進むなかで、安倍政権が進めてきた軍事大国化を目指した好戦的政策はほとんど無意味になりつつあります。

 拉致問題や北方領土問題は全く進展せず、個人的な関係を強めてきたプーチン大統領からは、突然、平和条約締結を持ち出されてオロオロするばかりでした。北朝鮮の金正恩委員長からは相手にされず、韓国の文在寅大統領とは相変わらず慰安婦問題などでギクシャクしたままです。成果ゼロではありませんか。「外交の安倍」だなんて、聞いてあきれます。

 「カヤの外で飛び回る一匹の蚊」のようになった安倍首相は、中国の習近平主席に助けを求めてすり寄っています。他方で、極右の反中勢力の反発を抑えるために南シナ海で潜水艦訓練を行ったり、米軍の戦略爆撃機と空自の共同訓練を行ったりというチグハグぶりです。これまで精力を費やしてきた中国敵視政策と「中国包囲網」づくりによって大きなジレンマに追い込まれてしまいました。

 日米関係にも暗雲が漂い始めています。9月に行われた首脳会談で、これまで避けてきた貿易に関する2国間協議を呑まされてしまったからです。「日米物品貿易協定(TAG)」と看板を変えて誤魔化し、「全く異なる」と安倍首相は弁解していますが、基本的な内容は「自由貿易協定(FTA)」と変わりありません。合意文書の翻訳で日本政府が改ざんした疑惑まで生じています。

 合意される関税はTPPの水準を越えないとされていますが、要するに自動車輸出を守るために農産物自由化を受け入れるということにほかなりません。すでに、種子法の廃止で農業生産にとって大切な種子が多国籍企業の餌食とされ、「農業改革」によって中小零細や兼業農家の切り捨てが始まっています。そのうえ、輸入農産物の関税が下げられれば日本の農業と農村は壊滅するでしょう。

沖縄県知事選挙の衝撃

 9月30日に、安倍3選後初の大型選挙となった沖縄県知事選挙が実施されました。結果は玉城デニー候補が39万6632票、佐喜真淳候補が31万6458票で、その差は8万174票という圧倒的なものでした。

 前回の翁長候補の得票は36万票でしたから、それより3万票も多くなっています。この玉城候補の得票は過去最高でした。つまり、「辺野古に新基地はいらない」という沖縄県民の民意がこれまでで最も多くの票によって、明確に示されたことになります。

 この選挙では、菅義偉官房長官と小泉進次郎衆院議員が3回も応援に入り、二階俊博幹事長や石破茂元幹事長、小池百合子東京都知事までが沖縄入りしました。前回は自主投票だった公明党が支持に回り創価学会の幹部も応援に入るなど異例の対応を行い、前回下地幹郎候補を立てた維新も佐喜真候補を支持しました。

 安倍政権側は総力戦を展開し、官房機密費などの金をバラマき、基礎票や陣立てとしては圧倒的に有利な態勢で取り組んだのにコテンパンに敗北したのです。それだけ県民の意志は強固で明白だったということになります。政権丸抱えの総力戦がかえって県民の反発を招いたのではないでしょうか。この民意を尊重することこそ民主主義のあるべき姿です。辺野古での新基地建設は直ちにストップするべきです。

 今回の選挙では、辺野古での新基地建設や普天間飛行場の返還問題とともに、民主的な政治制度としての選挙のあり方や与党が編み出した「勝利の方程式」も大きな争点になりました。辺野古での新基地建設という最重要争点についての態度を明らかにしない「争点隠し選挙」が有権者の厳しい審判を受けたことになります。

 安倍政権はカネと利益で誘導し、徹底した組織戦で締め上げながら事前投票で囲い込めば勝てると考えたのでしょう。しかし、このような力づくで屈服させようという強権的な選挙戦術はかえって県民の反発を買い、逆効果だったのではないでしょうか。

 こんなやり方は、もう通用しません。自民党は「根腐れ」してしまったと言うべきです。長期政権の「緩み」や「驕り」が露呈し、自民党も安倍首相も「賞味期限」が切れて腐り始めています。国民が「食中毒」で倒れてしまう前に安倍政権を倒す必要性はますます強まっているのです。

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