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「イッテQ!」疑惑 BPOによる報告要請で今後どうなる?

「イッテQ!」の疑惑でついにBPOが動き出した

 日本テレビのバラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」の人気コーナー「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」で、「ラオスの橋祭り」という祭りが”でっち上げ”ではないかという疑惑についてだ。  BPO(放送倫理・番組向上機構)は、NHKと日本民間放送連盟(民放連)が設置した自律的な放送倫理遵守機関だ。3つある委員会のうち、いわゆるヤラセや捏造などの問題を主に扱う、放送倫理検証委員会が日本テレビに対して報告を求めることを決定したという。  このニュースを伝えた時事通信は以下のように報じている。

 放送倫理・番組向上機構(BPO)放送倫理検証委員会は9日、同局に報告を求めることを決めた。  神田安積委員長は「映像も確認して検討する」と述べた。

出典:時事コム

この問題を最初に報道したのは、11月8日に発売された週刊文春だった

番組で「年に一度の祭り」として紹介された「ラオスの橋祭り」が、実際にはそれまで行われたことはなかったという。実際に番組の映像を見ても、巨大な水槽の上に渡された、全長25メートルの細い板を”橋”に見立てて自転車で渡るというもので、妨害物として4つの回転する玉が立ちふさがり、うまくよけないと下の泥水プールに落下してしまう。  これは「祭り」というよりも、どう見てもイベント、自転車アクテビティーだが、番組では「年に一度」の伝統的な祭りだという。  かつてのTBSの人気バラエティ番組「風雲たけし城」みたいな大掛かりなセットが組まれていて、参加しているのはサッカーのユニフォームを着た少年たちだ。  「ライスで橋祭りなんて聞いたことがない」「そもそもラオスの人間はバイクには乗るが、自転車に乗るという文化はない」という現地からの通報を受けた週刊文春の記者は3週間、ラオスやタイなどで現地取材を続けて様々な証言をとったという。

その結果、現地の人たちが口を襲えたのが、「ラオスで橋祭りなんて聞いたことがない」という数々の証言だった

また、この橋祭りの会場で同時に行われていたコーヒーフェスティバルの実行委員は「日本側に場所を貸すように求められたので貸した」「撮影セットの見取り図やスケジュール表が送られてきて設営も手伝わされた」などと語ったという。  しかも、出場した少年たちには賞金が与えられたという。

週刊文春が発売された日の午後1時、日本テレビは番組ホームページに文春記事への「見解」という文章を掲載した

 今回の企画は、現地からの提案を受けて成立したもので、番組サイドで企画したり、セットなどを設置した事実はなく、また、番組から参加者に賞金を渡した事実もございません。

出典:日本テレビ公式番組HP「週刊文春」(11 月 15 日号)掲載 「世界の果てまでイッテQ!」の記事に関する見解

 これについては以下のような文章も付記されている。

 一方でこの催しについて、コーディネート会社から、ラオスでは村単位で開催されているという説明はあったものの、今回放送した会場での開催実績を十分に確認しないまま 作業を進めてしまいました。結果、この会場で初めての開催であった「橋祭り」を、放 送では毎年行われているかのような、誤解を招く表現となりました。この点について は、番組として真摯に反省すべき点があったと考えております。

出典:日本テレビ公式番組HP「週刊文春」(11 月 15 日号)掲載 「世界の果てまでイッテQ!」の記事に関する見解

 若干の問題があったものの、この「橋祭り」が元々ラオス国内であった祭りなのかどうかは明らかにしなままに「見解」は締めくくられている。「真摯に反省すべき点があった」と釈明しながら、関係者や視聴者らへの謝罪の言葉もなかった。日本テレビに限らないが、ニュース番組では政治家の失言などで、後で発言が撤回された場合には「しかし反省の言葉はなかった」などというナレーションで批判的に報道することがテレビでは多い。ところが自分の局について、となると、こういう批判的な姿勢は影を潜める。    その翌日となった9日、テレビ朝日やフジテレビが週刊文春の取材を同じように確認した結果を報道した。

特にテレビ朝日の報道では、週刊文春の記事がほぼ正確なものであることが確認された

「イッテQ」疑惑をテレ朝「モーニングショー」が検証したらクロ!

出典:ヤフーニュース個人

 そうしたライバル局の相次ぐ報道の後に飛び出したBPOの放送倫理検証委員会による「報告」の要請。

今後はどうなっていくのか

 BPOの最終的な結果が示されるまでは通常は数ヶ月から1年以上かかることもある。

まず日本テレビは同委員会に対して「報告」しなければならない

 今回、番組ホームページに掲載した「見解」はあまりにもお粗末なものだ。  そこで新聞などの各社が「そもそもラオス国内で橋祭りというのはあったのか?」と質問しても、「あの『見解』の文章がすべてです」というばかりで詳しいことを説明しなかったという。  万一、BPOにも同じような非協力な対応をするのであれば、BPO側はもっと詳しい聞き取りをするに違いない。  その結果、週刊文春やテレビ朝日などの報道がほぼ間違いないことがわかれば、BPOとしても審理あるいは審議をするかどうかを会議を開いて討議することになる。  今のままでは、「もともと存在しなかった祭り」を「年一回の伝統の祭り」として放送したことがBPOに確認されれば、間違いなく審理あるいは審議に入り、数ヶ月の討議の末には委員会としての決定が出て、「放送倫理違反」という「意見」や再発防止策についての「勧告」が出ることになるだろう。

だが、その流れの前に日本テレビの社内検証が行われて、検証番組の放送などに発展するのが通例だ

BPOが判断を示す前に、自社の中で検証し、問題があれば担当者処分し、再発防止などの体制作りなどの対策を決めて実行に移さなければ、BPOの審議でも心証は悪くなり、より厳しい決定を下される可能性が高くなる。  このため、BPOに意見を求められて日本テレビは以下のことを実施する必要に迫られている。

できるだけ速やかに事実の究明して公表する

 それを急がねばならない事態に陥ったのだ。  いずれ番組を存続させるかどうかという経営判断を下す必要が出てくる。  もし放送倫理違反が行われていたという烙印を押されてしまっては、同じ番組名で放送を続ける大義名分がなくなってしまうし、反省の態度を示して局をあげて出直しと再生を進める意思を示すことを求められるからだ。  

BPOが動き出した以上、これからは日本テレビ自身がどうするのかが注目のポイントになってくる

 もし、今以上に真摯な対応をするということになれば、早ければ日曜日の「イッテQ!」の番組内で、何らかの対応が行われるはずだ。

※Yahoo!ニュースからの転載

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