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玉城知事、沖縄のチムグクル(まごころ)が辺野古新基地を止める!(渡瀬夏彦)

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10月4日、玉城デニー氏が沖縄県知事に就任した。玉城氏は前日の3日、辺野古を電撃訪問。小雨のなか、集まった市民ら約130人と辺野古新基地建設阻止への決意を新たにした。玉城氏は3日夜、那覇市内で『週刊金曜日』の単独インタビューに応じた。

たまき でにー/本名、玉城康裕。1959年10月13日、沖縄県生まれ。81年、上智社会福祉専門学校を卒業。タレント活動や沖縄市議会議員を経て、2005年、衆議院議員選挙に沖縄3区から民主党公認で立候補し落選。09年の衆議院議員選挙で初当選。12年から17年まで4期連続で当選した。18年9月、翁長雄志知事の死去に伴う沖縄県知事選挙に出馬し初当選。

玉城デニー知事は、翁長雄志前知事の遺志を継ぎ、「辺野古新基地建設阻止」を貫徹し、「誇りある豊かさ」を追求する新知事として県民から大きな支持を集めた。エレキギターを弾きながらロックを歌い、マイノリティや弱い立場の人たちと同じ目線で語り合うことのできる、型破りな庶民派知事の誕生だ。

当選直後の3日間は文字通り寝る間も惜しんでメディア対応や支援者への挨拶回りをこなした。だがデニー知事(本稿では親愛の情を込めてそう呼ばせていただく)は、ありがたいことにその最後の最後、知事就任前夜の貴重な時間を、筆者の単独インタビューに応えるために当ててくれた。

自らの生い立ちを語る

わたしはまず、デニー知事が出馬表明会見の段階から、米国軍人の父とウチナーンチュの母との間に生まれ「二人の母」に育てられた自身の生い立ちを、まっすぐ前を向いて明るい声で丁寧に語り続けたこと、その意味の大きさに水を向けた。デニー知事の返答は、いきなり核心部分に入った。

「それは、なぜわたしが知事選挙の出馬要請を受けるのか、なぜいま玉城デニーなのか、を考えた結果でした。翁長知事が生前に、玉城デニーのことを戦後沖縄を象徴するような存在であると言われ、いろいろ苦労もしてきているのだろうね、とも言われたと聞きました。これは当然わたしの出自を踏まえておっしゃっているんだろうな、と思いました。

そう受けとめた上で、わたしが生い立ちを当たり前のように語ることは、まさに多様性を大切にする政策の具現化だと考えました。だから変に隠す必要もないし、むしろ自然にオープンに語ったほうがいい。選挙でこのことを語ることによって、わたしの生き方を理解してもらうだけでなく、玉城デニーが知事候補として出てきた背景、必然性をわかってもらうことになるだろうな、とも思いました」

初登庁前日の10月3日、玉城デニー新知事は、辺野古ゲート前を訪れ、座り込みの市民県民から大歓迎を受けた。皆の顔に笑みが弾けた。(撮影/渡瀬夏彦)

デニー知事が、選挙戦の中で強調して語った重要な理念はいくつもあるが、たとえば「自立と共生と多様性」「デモクラシー(民主主義)、ダイバーシティ(多様性)、ディプロマシー(外交)の三つのD」あるいは「誰ひとり取り残さない政治」といった言葉に込められた思いはすべて、生い立ちを当たり前のようにていねいに語った姿勢とピタリ重なり合う。

それらを大きくまとめる言葉を、デニー知事は「チムグクル(肝心)」と表現してもいる。

沖縄県庁への初登庁前日、10月3日の午後に辺野古ゲート前を訪れたとき、座り込みテント村を守ってきた大勢の市民県民を前にして、デニー知事はこう解説した。

「チムグクルを標準語にする場合、どんな言葉がわかりやすいか、と考えてみました。それは、真心です」

この言葉の大切さについては、その夜の単独インタビューの際にも、詳しく語った。

「チムグクルとは、私心のない、見返りを求めない心です。隣にいる相手に対して、あなたはあなたのままでいいんだよ、誰もが普通に生きていける社会にしようね、という優しさ。その優しい心があって初めて平和を希求することができます。

外交努力にも当てはまります。立場の違う相手に対して、片手で握手を求め、片手を隠して後ろでナイフを握りしめていたのでは、対話なんか成り立ちません。両手をしっかり差し出して握手をする。誰と対話するときでも、そこから始めたいと思います」

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