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過酷な労働実態を技能実習生らが訴え 外国人労働者問題に関する野党合同ヒアリング


 立憲民主、国民民主、無所属の会、共産、自由、社民の5党1会派は合同で8日、外国人労働者問題に関するヒアリングを国会内で開き、外国技能実習生や支援者らから現状について話を聞きました。

 中国やモンゴルからの技能実習生は「縫製の仕事に就いたが、朝8時から深夜12時まで働かされた。残業代は1時間300円しか支払われなかった」「作業中にけがをした。会社からは『帰れ』と何回も言われた。私は働きたい。働きたいのになんで帰るのか。これからどうするのか、考えられない」「職場でパワハラ、いろいろないじめを受けた。職場で事件が起こったため怖くて夜勤ができないと職場の転換を求めたが認めてもらえず、悩んだ末に自殺未遂を図った。今うつ病になって医者で治療しているところ」などと過酷な労働実態を訴えました。ヒアリングには、建設(鉄筋施工、型枠施工)業を学ぶはずがこうした名目の仕事は一切なく、必要な教育も事実上行われないままに除染作業に日給5,600円(一般の除染作業労働者は16,000円から2万円程度で募集)で300~400日従事させられていたという、ベトナム人男性らも出席しました。

 実習生らの過酷な労働実態に加え、本来、技能実習制度が適正に運用されているかどうかの管理とともに、技能実習生の保護も仕事であるはずの管理団体がこの役割を果たさずに、管理団体と会社が一体となって解雇や強制帰国のシナリオを描いている現実も明らかになりました。

 会議には外国人労働者への支援活動等を行っている「移住者と連帯する全国ネットワーク」(移住連)代表理事の鳥井一平氏、「外国人技能実習生問題弁護士連絡会」共同代表の指宿昭一氏、「自由人権協会」理事の旗手昭氏、「全統一労働組合」の佐々木史朗氏らも出席。

 旗手氏は、同等待遇がどのように確保されるのかいまだに不明確だと述べ、「今までの技能実習生については、日本人と『同等以上』の賃金と法務省令で明確に書かれていた。しかし実際は、各地の最低賃金レベルであり、契約以下や最低賃金以下の違法な時給300円、400円というのがいまだに見られる。客観的に明確な数値として表示できる水準にしないと規制はできない。抽象的な水準では全く意味をなさない」と指摘。

 鳥井氏は「本来は労働契約で労働条件、賃金が決まっているはずなのに、全然違うところで決まっている。ブローカー(悪質な労働仲介業者)によって契約ががんじがらめになっている。今回、技能実習(制度)で出た問題を議論しないままに特定技能制度に移っているのは大いに問題だ。ブローカーを排除すると書いてあるが、ではなぜ今までそれができなかったのか、どのようにブローカーを排除するのか」と懸念を示しました。

 そのほか支援する立場からは、「技能水準の計り方について、これまでは職種別でしかできていない。分野別の技能の水準などないなかで、どうやってきちんとした評価システムとして確立するのか」「そもそも被害者の救済という考え方が弱い」といった声が上がりました。

 政府からのヒアリングでは、野党国会対策委員長の合意事項としても与党に要請した、入管管理局が失踪した実習生約2,900人分から聞き取りをした調査結果の取りまとめ資料と、約2,900人分の聴取票のコピーの提示を求めていましたが、法務省から同日示されたのは「失踪技能実習生の現状」と白紙の聴取票見本のみ。法務省は「個人情報に関わる」と提示できない理由を説明しましたが、野党側は実態把握のための聴取票は法案審議の前提だと強調、「個人情報部分は黒塗りのものでいい」と、あらためて示すよう求めました。

 また法務省は前回のヒアリングで、昨年の技能実習生の失踪者数7,089人の「失踪の動機」として「より高い賃金を求めて」が86.9%と説明しましたが、実際には「最低賃金以下」が32件、「契約賃金以下」が177件であることが分かりました。

 長妻昭政務調査会長は法務省の調査報告について、裁量労働制をめぐる厚生労働省の不適切なデータ問題に似ていると指摘、「人間らしい働き方をしてもらうよう、日本はいい国だと好きになる形で受け入れることが何よりも重要だ。日本人と同等の働き方を目指したい」と述べました。

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