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新 東芝劇場 その行方は?

東芝といえば原発子会社問題に「チャレンジ」や不正会計など頭痛の種がてんこ盛り状態で挙句の果てに上場維持危機となり、今はどうにか東証第2部に収まっている状態であります。東芝メモリの売却承認に時間がかかることが目に見えていたため、6000億円もの増資をして東芝メモリが期限内に売却できなくても債務超過に陥らない万全の工作もしました。

その結果、増資もうまくいき、東芝メモリの売却も達成し、東芝はいつの間にか手元資金が溢れんばかりの状態となっていました。ここに三井住友銀行の副頭取をしていた車谷暢昭氏をCEOとして招へい、昨日は東芝中期計画の発表でありました。まさに新東芝劇場の始まりであり、車谷氏のパブリックへの本格的デビュー戦でありました。

どうだったか、といえば株式市場が開いていた場中の会見ライブ中継を見ている限り、アメリカ式のプレゼンテーションでかなり力の入る万全を期した内容にした、と車谷氏は考えたでしょう。多分ですが、ご本人はご満悦ではないかと思います。その間、株価は14%も爆上げしました。

私から見るとビジネスの背骨が分かりにくいプレゼンだった気がします。つまり、銀行マンが銀行マンのスタイルで打ち出したリストラプラン、財務プラン、リスク回避プランでさらには株主に20円/株の特別配当とご祝儀まで出すというご接待を含むパッケージを提供しました。しかし、それらの内容がどうも事務屋の表層を繕ったような内容でどうやってビジネスの核がなくなった同社が「あの東芝、すごいね」と言わせるところまで育て上げらるのか、十分に伝わってこなかったのであります。

まず、事業を縦割りで優劣をつけ、不採算と将来性のないものをバッサリ切り落としています。そうした結果、BtoCの体質も強かった同社をBtoBに変えるところにおいて三菱電機の経営戦略ようなイメージを彷彿とさせました。三菱電機は東芝、日立と並び重電御三家でありますが、BtoBへの傾注で高い利益率を生み出したことで知られています。

次に次世代の核となるビジネスにインフラや工場とし、電池、再生可能エネルギー、IoT、ロボットを掲げています。また、既存事業で儲け切れていないところの利益率改善を図るビジネス体質改善を行うとしています。これらはどの分野も多くの企業が激しい競争を日々繰り広げており、一朝一夕に業界のリーダーになれるものではありません。電池については東芝はかなり先端をいっていますが、リチウムイオン2次電池というより全固体電池、さらにはその次を目指すぐらいの野心を見せてほしかったと思います。実態としては電池は国内では知名度からしてパナソニックが優位にあるように感じます。

総括すると東芝の今回の中期計画はアメリカのGE社の苦悩にオーバーラップするところがあります。同社は先人たちの残した負の遺産の整理で苦しみ、リストラに次ぐリストラとなっています。その中で成長路線を見いだせず、事業の切り売りばかりが目に付き、事業の核が見いだせないところに焦点が集まっている点でもとても似ている状況にあると感じています。

東芝は難しい株主構成となっており、その対応だけでも苦労するだろうとされています。車谷CEOに強みがある管理体制強化と事業推進の役目をある程度分業して東芝の持てる潜在能力の発掘に努める方策が欲しいなと感じております。

では今日はこのぐらいで。

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