記事

トランプ米大統領、セッションズ司法長官を更迭 ロシア疑惑めぐり繰り返し非難

ドナルド・トランプ米大統領は7日、ジェフ・セッションズ司法長官を更迭した。

トランプ氏はツイッターで、「ジェフ・セッションズ司法長官のこれまでの働きに感謝し、今後の発展を願う」と書いた。「正式な後任は後日、指名する」と続けた。

セッションズ長官は大統領への辞表で、「親愛なる大統領、あなたの求めに従い、辞表を提出します」と書き、自ら望んで辞めるわけではないと明示した。

「なにより大事なのは、私が司法長官だった間に我々が法の支配を復活させ、維持したことです」と長官は続けた。

ホワイトハウス関係者によると、トランプ氏が中間選挙について記者会見を開く前に、ジョン・ケリー大統領首席補佐官がセッションズ長官に電話で連絡し、更迭を伝えた。

アラバマ州選出の共和党上院議員だったセッションズ氏は、2016年大統領選の早い段階からトランプ氏支持を打ち出した1人。

しかし大統領は、司法省がロシア疑惑捜査をやめないことに苛立ち、セッションズ長官をこれまでたびたび公然と非難していた。

暫定的な後任には、長官補佐官だったマシュー・ウィテカー氏が司法副長官として務める。高校アメフトのスター選手から弁護士となり、ブッシュ政権で連邦検事に任命されたウィテカー氏は、かねてからロシア疑惑捜査を批判していた。

司法長官の補佐官に就任する前の昨年5月に米政治ニュースサイト「ザ・ヒル」に書いたブログ記事でウィテカー氏は、特別検察官の指名を求める当時の世論について、「安っぽい政治的得点をしたいだけの臆病な動きにすぎない」と批判した。またその後に指名されたムラー特別検察官について昨年8月にはCNNのニュースサイトに、大統領の資産についてムラー氏が捜査するようなことがあれば、それは「やりすぎだ」と書いていた。

司法省が管轄するロシア疑惑捜査では、ロバート・ムラー特別検察官が2016年米大統領選挙におけるロシア当局の介入、ならびにトランプ陣営とロシア当局の結託疑惑を捜査している。トランプ氏は結託を一貫して否定し、捜査を「魔女狩り」と呼んできた。

<関連記事>

なぜ更迭されたのか

トランプ陣営関係者として政権発足前に当時のロシア大使と接触していたセッションズ氏は、ロシア疑惑捜査に長官として関与しないと昨年3月に発表した。トランプ大統領はこれに激怒したとされ、それ以来たびたび公の場でセッションズ氏を「とても弱い」、「みっともない」などと非難し続けた。

ムラー特別検察官が率いるロシア疑惑捜査の結果、トランプ政権の初代国家安全保障問題担当補佐官や元選対本部長、顧問弁護士など複数の陣営関係者が起訴され、一部はすでに有罪となっている。

トランプ氏は昨年7月、米紙ニューヨーク・タイムズに対して、「セッションズは決して捜査から身を引くべきではなかったし、そうするなら司法長官の職を受ける前に僕にそう言うべきだった。だったら別の長官を選んでいたのに」と話していた。

セッションズ氏は司法長官に指名された後、承認のための上院公聴会で、選挙中に当時のロシア大使と接触していたことを明らかにしなかった。就任後の上院公聴会で、会ったことを忘れていたと認めた。

今後のロシア疑惑捜査は

米CBSニュースによると、ムラー特別検察官によるロシア疑惑捜査はもはや、ロッド・ローゼンスタイン副長官の指揮下になく、ウィテカー副長官の指揮下に入る見通し。

司法省の管轄下にあるムラー氏を大統領が直接解任することはできない。しかし、セッションズ長官の後任は、ムラー氏を解任もしくは捜査をやめさせる権限を持つ。

ローゼンスタイン副長官は7日、ホワイトハウスに呼ばれた。以前から予定されていた会談だとホワイトハウスは説明している。

ロシアの選挙介入を捜査していた連邦捜査局(FBI)のジェイムズ・コーミー長官(当時)が昨年5月に、大統領に電撃解任された後、ローゼンスタイン氏が元FBI長官のムラー氏を特別検察官に任命した

ムラー氏は捜査の一貫として、大統領によるコーミー長官解任が司法妨害に当たるかも調べている。

ローゼンスタイン副長官についても今年9月、副長官がドナルド・トランプ米大統領との会話を録音し、憲法規定にもとづく解任の可能性を検討していたという米紙ニューヨーク・タイムズの報道を受け、政権内で辞任圧力が高まっていたと言われる。

更迭への反応は

司法長官の更迭に民主党関係者は強く反発し、民主党全国委員会は、ウィテカー副長官の就任には上院の承認が必要だと指摘した。

民主党のチャック・シューマー上院院内総務は、「明らかに大統領は何か隠そうとしている」とツイート。「ムラー捜査の予算を取り上げ、捜査に制約を科すべきだと主張してきたこれまでの発言からして、ウィテカー氏は司法副長官を務める間、ムラー捜査を指揮する立場から身を引くべきだ」と書いた。

前日の中間選挙で下院を8年ぶりに奪還したばかりの民主党幹部、ナンシー・ペロシ下院院内総務は、「セッションズ司法長官の更迭は、トランプ大統領がまたしてもあからさまに、ムラー特別検察官の捜査を損ない終わらせようとしているようにしか受け止められない」と批判した。

オバマ政権の司法長官だったエリック・ホルダー氏は、「ムラー捜査を邪魔したり妨害する人間は誰だろうと、責任を問う必要がある。越えてはならない一線だ。我々のこの国は法と規範の国であって、1人の人間の自己中心的な行動に左右されるものではない」とツイートした。

反移民政策を強硬に支持する保守系コメンテーター、アン・コールター氏は、「トランプ政権で移民問題についてただ1人、行動に出ていた」「キリストのようなジェフ・セッションズ」と長官を称え、セッションズ氏を国土安全保障長官に指名するようトランプ氏に呼びかけた。

共和党重鎮のリンジー・グレアム上院議員は、「司法省で新章が始められるよう、トランプ大統領と協力して、承認可能で後任にふさわしい人物」を探して行きたいと述べた。

サウスカロライナ州選出のグレアム議員は昨年、もしセッションズ氏が解任されるようなことがあれば、「とんでもないことになる」と発言していた。

上院司法委員会の有力者でもあるグレアム議員はこのところ、後任の司法長官候補として有力視されていたが、7日の時点では自分は上院に留まるつもりだと述べた。

(英語記事 Trump fires Attorney General Jeff Sessions

あわせて読みたい

「ドナルド・トランプ」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    イッテQめぐり朝日がブーメラン

    中田宏

  2. 2

    島国日本のゴーン氏逮捕劇に懸念

    小林恭子

  3. 3

    悪徳な外国人受け入れ企業の実態

    笹川陽平

  4. 4

    いじめ自殺 校長の一言に父怒り

    渋井哲也

  5. 5

    キンコン西野著「新世界」は残念

    かさこ

  6. 6

    ゴーン氏逮捕 例を見ない悪質さ

    弁護士 紀藤正樹 Masaki kito

  7. 7

    とんねるず亀裂? 石橋が激怒の噂

    女性自身

  8. 8

    長与千種は例外 喧嘩は通報せよ

    常見陽平

  9. 9

    よしのり氏 日産巡る意見に驚き

    小林よしのり

  10. 10

    日産の自爆テロ 実は効果的裏技

    企業法務戦士(id:FJneo1994)

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。