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第2次トランプラリーは短命か、日本も歓迎しにくい米ねじれ議会


[東京 7日 ロイター] - 米中間選挙後の「第2次トランプラリー」は、短期間で終わる可能性がある。上院が共和党、下院が民主党のねじれが発生する見通しとなり、追加減税などの政策は通りにくくなる。金利上昇は抑えられたとしても、株価を押し上げる力は弱まる可能性が大きい。内政の停滞をカバーするために外交・通商政策が過激になれば、日本への風当たりも強くなる。

<2010年、唯一の類似ケース>

米中間選挙後の株価のパフォーマンスは悪くない。1970年以降、選挙当日から翌年末までのダウ<.DJI>は全12回すべて上昇。平均上昇率は17.1%だ。不透明感の後退や翌々年の大統領選に向けての政策(期待)が原動力とみられている。

ただ、今回のように大統領及び上下院の多数政党が同じだった状況で、上下院のうち1つで与党が負けたケースは2010年の1回だけ。オバマ政権時で、下院において多数政党が民主党から共和党に入れ替わった。

このときも翌年末までみれば、ダウは9.2%上昇しているが、翌年の7月から10月にかけて約18%の大幅調整を記録している。

当時、上下院でねじれた米議会では、政府債務上限の引き上げを巡り政権と議会が激しく対立。いったん財政健全化計画で合意したものの、不十分と判断され米国債が格下げ、米株も大幅安となった。

マーケットの一般的な認識では、共和党の勢力拡大は、減税政策などにより、米経済や米市場が活性化し、海外からの資本流入が拡大するとの期待から、ドル高・株高が起こりやすいとみられている。2010年は共和党が議席を伸ばしたが、今回は逆に議席を失っており、米株やドルにとってはネガティブだ。

<直面する債務上限問題>

今回も米議会は、間もなく債務上限問題に直面する。

政府債務上限は2019年3月まで引き上げられているが、それ以降、新たな借り入れをするためには、議会による上限引き上げの立法措置が不可欠。引き上げができない場合、しばらくは予算繰りで綱渡りできるとしても、いずれは限界が来る。

また、一部を除いて19年度(18年10月─19年9月)予算が成立しているが、未成立の部分については、暫定予算の期限が12月7日までとなっており、政府閉鎖の可能性もある。

最終的には、両党間で合意に至る可能性が高いとみられているが、両党の対立が激しくなる局面では、金融市場が一時的に不安定化する可能性がある。米金利が急上昇すれば、米株に大きな下げ圧力がかかりそうだ。

米金利は「第2次トランプラリー」の鍵を握る。米財政はこれまでの減税など拡張政策ですでに悪化。18年度の財政収支は、7790億ドルの赤字となり、12年度以来の大幅な赤字だ。10年米長期金利は7年ぶりの水準となる3.2%台まで上昇。今年2月や10月の株価調整の一因とみられている。

財政拡張策がとられなければ、米金利上昇は抑えられる可能性もある。その面では株価にプラスであるが、景気加速期待も高まらない。

<対日圧力拡大を警戒>

米議会のねじれ化は、日本にとっても喜ばしい事態ではない。政策が通りにくくなれば、トランプ大統領は自らの権限でできる外交・通商政策により力を入れ、2020年の大統領選に向けてアピールするとみられているからだ。

来年1月にも始まる日米物品貿易協定(TAG)交渉。その際、トランプ氏の矛先が先鋭化してくれば、日本にとって厳しい交渉になる。

「警戒すべきは為替条項。これまで国際間の取り決めだった通貨政策が2国間のマターとなれば、急激に円高が進行した場合のスムージング介入でさえ、いちいちおうかがいを立てなければならなくなる可能性がある」と三菱東京UFJ銀行・シニアマーケットエコノミストの鈴木敏之氏は指摘する。

くすぶる円高懸念に加え、米財政拡張政策への期待後退。米金利上昇による株急落への警戒感は薄らいだとしても、その分ドル高/円安も進みにくく、日本株にとってポジティブな環境にはなりにくい。

ブラックスワン指数と呼ばれるスキュー<.SKEWX>は低下。テールリスク的な株安への警戒は低下している。ヘッジファンドやCTA(商品投資顧問業者)など海外短期筋が「トランプラリー」の再現をねらって株買いに動く可能性もあるが、短命である可能性も想定しておく必要がありそうだ。

(伊賀大記 編集:田巻一彦)

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